トレード日誌テンプレート|CSV・記入例と週次レビューのやり方

トレード日誌テンプレート。記録・集計・週次レビューを表すノートとペンの表紙。

トレード日誌は、長い感想を書くためのものではありません。「何を根拠に入ったか」「最初にどこで損切りする予定だったか」「実際にはどう動いたか」を残し、結果と判断を分けて振り返るための記録です。

この記事には、空欄のCSV、記入済みの架空サンプル、週次集計ができるExcelファイルを用意しました。日本株の現物買いを1回買い付け、全株を1回で決済するケースに絞っています。空売り、FX、分割売買、外貨換算には、この計算式をそのまま使わないでください。

目次

まず使うテンプレートを選ぶ

  • CSV・Excel一式をダウンロード(ZIP):空欄20行のCSV、架空5件の記入済みCSV、Excel、使い方メモをまとめています。展開してから使ってください。CSV内に数式はなく、自分の取引実績と架空例を混ぜないようにします。
  • 自動集計付きExcelを単独でダウンロード:「記録」「架空の記入例」と、サンプル集計を見やすく表示する「週次カード」の3シート。初期1R、実現損益、結果R、指定週の集計を計算します。

Excelでは「記録」シートの青字の欄を入力し、灰色の計算欄は残します。週の開始日を変えると、その日以上・7日後未満に全決済した取引が集計されます。入力は17〜36行の20件までです。20件を超える場合は、入力行の数式と週次集計の参照範囲を両方拡張してください。

CSVは文字コードUTF-8のBOM付きです。文字化けするアプリでは、UTF-8を指定してインポートしてください。CSVの数値を書き換えても、初期1Rや損益は再計算されません。自動計算が必要ならExcel版を使います。日付は日付型、価格・数量・費用は数値で入力し、費用が実際にゼロなら「0」を入れます。未確認の費用をゼロとして埋めないでください。

短く続けるための7つの記録

記録するまとまり残す内容
取引の識別重複しないID、銘柄、エントリー日、全決済日。日内の順序が必要なら時刻も別途残す。
根拠とタグ押し目・ブレイクなどの分類と、発注前に確認した条件を1行。
初期の撤退条件最初の損切り価格と、その価格に置く理由。変更前の値を残す。
価格・数量・費用実際の買値・売値・株数・往復費用。注文値ではなく約定した値を使う。
結果初期1Rの金額、費用控除後の円損益、結果R。
判断の確認ルールを守った/違反/未確認。必要に応じて発注前・決済後のスクショ名。
次の行動良かった点か直す点を1行。週次レビューで重点を1つに絞る。

買値などの数値は約定履歴から埋められますが、発注前の根拠や初期の損切り理由は後から都合よく書き換えやすい部分です。先に短く残し、結果を見てから書く振り返りと区別します。スクショは口座番号や残高などを隠して保管し、日誌にはファイル名だけでも構いません。

損切りの価格幅と、1Rの金額を分ける

このテンプレートでは、初期1Rを「買値から最初の損切り価格までの値幅 × 株数」と定義します。例えば1,000円で100株買い、初期損切り価格が980円なら、値幅は1株あたり20円、初期1Rは2,000円です。20円と2,000円を同じ単位で扱わないようにします。

初期1R(円)=(買値 − 初期損切り価格)× 株数
実現損益(円)=(売値 − 買値)× 株数 − 往復費用
結果R = 実現損益 ÷ 初期1R

初期1Rには費用を含めず、損益には費用を含める定義です。往復費用には実際に負担した売買手数料などを入れます。所得にかかる税金は引かず、配当もこの売買損益には加えません。買値と初期損切り価格が同じ、または損切り価格の方が高い場合、この買い取引用のRは計算しません。

初期1Rは、実際の損失をその金額に限定できる保証ではありません。費用や約定価格のずれで、損失が−1Rを超える場合があります。逆指値も、指定した条件に達すると指値や成行で注文を出す仕組みです。記録には、設定した損切り価格と実際の売値を分けて残します。注文の仕組みは楽天証券「逆指値注文の仕組み」でも確認できます。

途中で損切り価格を動かしても、結果Rの分母に使う初期1Rは変更しません。変更した日時と理由を別に残します。分母まで後から変えると、最初に負ったリスクに対してどんな結果だったか比較できなくなるためです。

架空5件を記入する:勝ったミスも、予定どおりの負けも残す

以下は説明用に作った架空データです。運営者や利用者の取引実績ではなく、実在銘柄の推奨でもありません。費用も例として置いた金額で、特定の証券会社の料金ではありません。全件を2026年9月7〜11日に買付・全決済した設定です。

例初期1R費用後損益結果Rルール
架空A:押し目2,000円3,900円1.9500R守った
架空B:押し目3,000円−3,100円−1.0333R守った
架空C:ブレイク2,000円2,900円1.4500R違反
架空D:ブレイク4,000円−5,200円−1.3000R違反
架空E:レンジ1,000円0円0.0000R守った
画面が狭い場合は表を横にスクロールできます。

架空Aは1,000円で100株買い、1,040円で売り、往復費用が100円の例です。(1,040−1,000)×100−100=3,900円、3,900÷2,000=1.95Rになります。架空Bは予定した損切り価格で売ったものの、費用100円を含めると−1Rを少し下回ります。これだけでルール違反とは扱いません。

架空Cは利益が出ていますが、確認すべき出来高を見ないまま発注した設定なので「違反」です。架空Dは損切りの判断を遅らせた設定です。両方を「負けたミス」にまとめると、利益で隠れた確認漏れを見落とします。一方、ルールを守って負けた1件だけで、その手法が無効だとも、相場が合わなかったとも断定できません。

週次集計では、円損益と平均Rを両方見る

この5件は2勝2敗1分、勝率は2÷5=40%、実現損益の合計は−1,500円です。ここでの勝率は費用控除後の利益が出た件数を、損益ゼロも含む全決済件数で割っています。含み損益や未決済の取引は入れていません。

架空5件の週次集計。実現損益はマイナス1500円、平均Rはプラス0.2133、ルール違反は2件。
配布するExcelの「週次カード」シート。「架空の記入例」から集計値を参照しています。

結果Rの合計は約1.0667R、平均は約0.2133Rです。平均Rがプラスなのに円損益がマイナスなのは、各取引の初期1Rの金額が違うからです。この例では、架空Dの初期1Rが4,000円と他の取引より大きく、その損失が円損益に重く影響しています。

平均Rは、各取引を1件ずつ同じ重みで見た記録です。口座資産の収益率ではありません。円損益、取引ごとの初期1R、件数も並べて確認します。また、5件の平均はその5件の実績を要約した値で、将来の期待値がプラスだと証明する数字ではありません。表示を丸める前の数値から集計しています。

Excelで「週内の要確認」が1件でもある場合、合計損益・合計R・平均R・勝率は空欄になります。費用の未入力、買値より低くなっていない初期損切り価格、重複IDなどを直してから見ます。「未決済」は全期間の未完了行を示すため、その週に新しく建てた取引だけの件数ではありません。

週1回、次に変えることを1つ決める

  1. 約定履歴と照合し、対象週に全決済した取引を漏れなく記録する。大勝・大敗だけを選ばない。
  2. 円損益、平均R、初期1Rの大きさ、勝ち・負け・損益ゼロの件数を並べる。
  3. 利益が出た取引も含め、ルール違反と未確認を数える。
  4. タグごとに件数と判断の内容を確認する。1〜2件の勝敗だけで回数や資金を増やさない。
  5. 次週の重点を1つ書き、翌週はそれを実行できたか振り返る。

この架空例の重点を選ぶなら、「事前に決めた損切り条件に達した後、どの操作をするかを発注前に確認する」と書けます。架空Cの確認省略も記録に残しますが、今週は架空Dの撤退遅れを先に検討する、という区切りです。「損失を取り返す」「来週は勝つ」では、実行できたかを判定できません。

対象週:__年__月__日〜__月__日
全決済:__件(利益__/損失__/損益ゼロ__)
記録漏れ・未入力:__件
費用控除後の円損益:__円
合計R:__R / 平均R:__R
ルール違反:__件 / 遵守が未確認:__件
タグ別の件数と気づき:__
来週の重点(1つ):__
翌週に確かめる証拠:__

続けにくいとき・計算が合わないとき

毎日、全部を詳しく書けない

まず全取引のID・日付・価格・数量・費用を約定履歴から残し、根拠とルール確認を1行ずつ加えます。詳しいスクショの振り返りは気になる取引に絞って構いません。ただし、一部の取引しか記録できなかった週は「一部のみ」と明記し、口座全体の勝率や成績として扱わないでください。

分割で買ったり、一部だけ売ったりした

この簡易テンプレートの対象外です。部分決済を独立した取引として数えると、件数やRの重みが変わります。売買をどの単位で1取引にまとめるか、初期リスクと費用をどう配分するかを決めた専用の記録に分けてください。

Excelで「要確認」になった

日付が文字列になっていないか、売買価格・数量・費用が数値か、費用を空欄にしていないかを確認します。数量は正の整数、買値・売値・初期損切り価格は正の値で、初期損切り価格は買値未満にします。同じIDが複数行にないか、全決済日がエントリー日より前になっていないかも確認してください。日付自体が誤っていると対象週に入らないため、約定履歴との照合は省けません。

最初の一歩は、次の取引を増やすことではなく、終えた取引を同じ形式で1件残すことです。数字と判断を分けて記録し、週末に変える行動を1つ決めるところまでを、日誌の1サイクルにします。

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この記事を書いた人

投資歴約10年。様々なインジケーターや分析サイトを駆使し市場と向き合ってきた

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