フットプリントチャートは、設定によって数字のまとまり方が変わります。日本株で使うときは、銘柄の呼値、1行の価格幅、出来高の分類方法を先に確認しましょう。
この記事ではTradingViewを対象に、同じ条件で観察を続けるための設定を整理します。売買成績が最も良くなる設定を提示するものではありません。
表示する前に確認すること
利用可能なプランは、契約時点のTradingView公式料金・機能比較で「Volume footprint」の対応を確認してください。月払いと年払い、通貨、税、キャンペーンによって支払額は変わります。
チャート機能の契約と取引所のリアルタイムデータ契約も別に確認します。銘柄のデータ提供元と遅延表示を見て、自分が分析する時刻のデータが揃っているかを確かめてください。
表示するときはチャートタイプから「出来高フットプリント」を選びます。日足など目的に合う時間足を決め、設定画面で表示方法と行サイズを調整します。
Buy/Sellの数字は何を表すのか
TradingViewは下位時間足の価格方向に基づき、出来高を買い側・売り側に分類します。取引参加者の人数や、機関投資家の注文を識別した数字ではありません。実際のBid・Ask約定を直接分類する製品とも区別して読みましょう。計算仕様
| 表示 | 見るもの |
|---|---|
| Buy/Sell | 各行の買い側・売り側に分類された出来高 |
| Delta | 各行の買い側分類量から売り側分類量を引いた差 |
| Total | 各行の合計出来高 |
最初はTotalで取引が集中した場所を確認し、必要に応じてBuy/SellやDeltaを併用すると整理しやすくなります。色の濃さや数値の大きさだけで参加者の意図を決めつけないことが大切です。
日本株の呼値と行サイズ
呼値は注文できる価格の刻みです。2026年9月11日時点の東証の普通株について、よく使う価格帯を抜粋すると次のとおりです。
| 価格帯 | TOPIX500構成銘柄 | その他の普通株 |
|---|---|---|
| 1,000円以下 | 0.1円 | 1円 |
| 1,000円超〜3,000円以下 | 0.5円 | 1円 |
| 3,000円超〜5,000円以下 | 1円 | 5円 |
| 5,000円超〜10,000円以下 | 1円 | 10円 |
ETF等や上表より高い価格帯はJPXの呼値表を確認してください。2027年3月1日には適用区分を決める制度の変更が予定されているため、その後は現行表を読み替えず新制度を確認します。
行サイズを手動にすると、1行にまとめるティック数を指定できます。価格幅から考える場合は、次の順番で概算します。
1行のティック数 ≒ 観察する値幅 ÷ 見やすい行数 ÷ 1ティックの価格幅
例えば値幅50円、1ティック0.5円の銘柄で10〜20行にまとめるなら、1行5〜10ティックが目安です。これは表示の読みやすさを考える例で、売買の最適値ではありません。実際の表示は価格帯の区切りによって前後します。
AutoではATRを使って行サイズが計算されます。設定を比較するときは、銘柄・時間足・行サイズを記録してください。手動設定でも株価帯をまたいで呼値が変わる場合や、チャート側のティック仕様との違いには注意が必要です。
インバランスの閾値を決める
買いインバランスは、ある行の買い側分類量と1行下の売り側分類量を比較します。売りインバランスは逆方向です。同じ価格帯の左右だけを比較するものではありません。
閾値300%なら比較する数量の3倍が基準です。例えば買い側が600株、比較対象が150株なら4倍です。閾値を400%へ上げると表示対象を絞れますが、利益につながる信号だけが残るとは限りません。
少額・少量の取引でも比率が大きくなることがあります。マーカーの有無に加え、その行の出来高、足全体の出来高、その後の値動きを確認しましょう。マーカーを増やすためだけに閾値を下げる必要はありません。
同じ側のインバランスが複数行で続くものがスタックドインバランスです。再びその価格帯へ戻った際の観察場所として記録できますが、大口の建値や買い支えの約束とは扱いません。
POCとバリューエリア
POCは対象期間内で出来高が最大の価格帯です。参加人数が最も多い価格や、保有者全体の平均建値ではありません。出来高プロファイルと併用するときは、集計期間と行幅の違いも確認します。
バリューエリアは設定した割合の出来高を含む領域として算出されます。例えば70%を使う場合も、将来の値動きがその範囲へ収まる確率を示すものではありません。68%へ変えても、実際の価格分布が正規分布になるわけではありません。POC・VAの定義
過去表示とライブ表示を比べるとき
フットプリントは利用できる下位足データから作られるため、過去へ遡るほど粗いデータが使われる場合があります。後日の再計算で、当時のインバランス表示と過去チャートが一致しないこともあります。
検証時には、発生日時、銘柄、時間足、行サイズ、閾値、当時の画面やアラートを残します。後から見える形だけを使って「その場で判別できた」と評価しないでください。手動の行サイズは条件を揃える助けになりますが、再計算の影響をなくすものではありません。表示変化の注意点
設定を見直す順番
| 症状 | 先に確認すること |
|---|---|
| 数字が細かすぎる | 行幅と画面の拡大率 |
| 行ごとの数字が少ない | 対象時間足、出来高、データ欠損の有無 |
| マーカーが多い | 閾値と比較対象の数量。多いこと自体を誤りとしない |
| 他の指標とデルタが合わない | 分類方法、参照する下位足、集計期間、リセット条件 |
| 過去の画面と違う | 設定変更と下位足データの再計算 |
1日の株数だけで全銘柄共通の適性は決まりません。株価、売買代金、スプレッド、時間足、行の粒度も含めて判断します。
まとめ
設定では、呼値と行幅を合わせること、分類方法を理解すること、比較時の条件を揃えることが基本です。パラメータを変えたら理由と結果を記録し、見栄えの良い過去だけを選ばないようにしましょう。
用語から確認するなら出来高フットプリント入門、数字の解釈を整理するならフットプリントの5つの観察パターンを参照してください。分析全体の順序は出来高・検証のトレード環境テンプレで整理しています。

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