日本株をやっていると、為替の話が出てくる。
円安で輸出企業が上がる。
円高で内需企業が見直される。
そんな解説をよく目にする。
為替と株価の関係を深く分析する必要はない。
ただ、どういう仕組みで影響するのかを知っておくと、相場の動きが理解しやすくなる。
円安が株価に与える影響
円安になると、輸出企業にとっては追い風になる。
海外で稼いだドルを円に換えるとき、円安なら多くの円が手に入る。
売上が同じでも、円建ての利益が増える。
自動車、電機、機械など、海外売上比率が高い企業が恩恵を受けやすい。
また、円安は海外投資家から見ると、日本株が割安に見える。
ドル建てで見たときの価格が下がるからだ。
これも日本株の買い材料になることがある。
円高が株価に与える影響
円高になると、輸出企業には逆風になる。
海外で稼いだドルを円に換えるとき、円高だと手に入る円が減る。
売上が同じでも、円建ての利益が減る。
一方で、輸入企業には追い風になる。
原材料を海外から仕入れている企業は、円高だとコストが下がる。
内需中心の企業、小売、食品などは、円高でも影響を受けにくい。
必ずしも連動しない
ただ、為替と株価が常に連動するわけではない。
円安なのに株が下がることもある。
円高なのに株が上がることもある。
為替以外の要因——業績、金利、地政学リスク、需給——が絡み合って株価は動く。
為替だけを見て株価を予測しようとすると、外れることが多い。
あくまで一つの要因として捉えておくくらいがちょうどいい。
筆者の見方
筆者はドル円をチェックしている。
ただ、それを主要な判断材料にしているわけではない。
参照する程度だ。
今日は円安方向だな、円高方向だな、というのを把握しておく。
それ以上の深い分析はしていない。
円安に強い銘柄、円高に強い銘柄を意識して選んでいるわけでもない。
結局、上がりやすい銘柄は上がってくる。
その銘柄がなぜ上がっているのかを確認するときに、「ああ、円安だからか」と納得する。
そういう順番だ。
為替を見て銘柄を選ぶのではなく、動いている銘柄を見て為替の影響を確認する。
筆者はその方がしっくりくる。
知識として持っておく
為替と株価の関係は、知識として持っておいて損はない。
ニュースで「円安を受けて輸出関連が上昇」と流れたときに、なぜそうなるのかがわかる。
決算で「為替差益」「為替差損」という言葉が出てきたときに、意味がわかる。
深く分析する必要はない。
でも、仕組みを理解しておくと、相場の動きが腑に落ちやすくなる。
為替は、株価を動かす要因の一つにすぎない。
振り回されるのではなく、参照する程度に見ておく——それくらいの距離感が、ちょうどいいと思う。
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