決算シーズンになると、株価が大きく動きます。
好決算で急騰する銘柄もあれば、いい決算なのに売られる銘柄もある。
悪い決算で暴落することもあれば、悪材料出尽くしで反発することもある。
正直、決算の反応を予測するのは難しいです。
筆者はテクニカル分析がメインで、決算短信を隅から隅まで読み込むタイプではありません。
ただ、最低限押さえておくポイントはあります。
この記事では、決算短信の基本的な見方と、最低限チェックすべき項目について書いていきます。
決算短信とは
決算短信は、上場企業が四半期ごとに発表する業績報告書です。
本決算、第1四半期、第2四半期、第3四半期と、年に4回発表されます。
企業の売上や利益がどうだったか、今後の見通しはどうかが書いてあります。
正式な有価証券報告書より先に出るので、投資家が最初に目にする決算情報は、だいたいこの決算短信です。
証券取引所のウェブサイトや、各企業のIRページで見ることができます。
TDnetで検索すれば、すべての上場企業の決算短信が見られます。
全部読む必要はない
決算短信は、ページ数が多いです。
財務諸表から事業の状況、セグメント別の業績、設備投資の計画…細かく読もうと思えばいくらでも読める。
でも、正直、全部読むのは大変です。
筆者は、全部は読みません。
ファンダメンタル分析を本格的にやる人は別ですが、テクニカルがメインなら、最低限のポイントだけ押さえておけばいいと思っています。
最低限見るのは3つ
筆者が決算短信で見るのは、主に3つです。
まず、売上高。
会社がどれだけ稼いだか。
売上が伸びていれば、事業が成長している証拠。
逆に売上が減っていれば、何か問題があるかもしれない。
前年同期比でどれくらい増えたか減ったか、会社の予想に対してどうだったか。
このあたりを見ます。
次に、純利益。
売上から経費や税金を引いて、最終的に残った利益。
会社が実際にいくら儲かったかを示す数字です。
売上が伸びていても、純利益が減っていることがあります。
コストがかさんでいたり、一時的な損失があったり。
売上と純利益、両方見ないと実態がわからない。
最後に、当期利益率。
純利益を売上高で割った数字です。
売上のうち、何パーセントが利益として残っているか。
利益率が高ければ、効率よく稼げている会社。
利益率が低ければ、売上の割に利益が残らない体質。
同じ業界の他社と比べると、その会社の競争力が見えてきます。
予想との比較が大事
決算短信を見るとき、数字の絶対値だけでなく、「予想との比較」が重要です。
会社が事前に出していた業績予想に対して、実績がどうだったか。
アナリストのコンセンサス予想に対して、上回ったか下回ったか。
いい決算でも、予想通りなら「織り込み済み」で株価は動かないことがある。
逆に、悪い決算でも、予想より良ければ上がることもある。
決算の数字そのものより、「市場の期待に対してどうだったか」で株価が動く。
これが、決算の反応を読みにくくしている原因の一つです。
決算の反応は予測できない
正直に言うと、決算後の株価の動きを予測するのは難しいです。
好決算で上がると思ったら、「出尽くし」で売られる。
悪決算で下がると思ったら、「悪材料出尽くし」で買われる。
筆者も、決算前の銘柄で痛い目に遭ったことがあります。
好決算を期待して持ち越したら、翌日ギャップダウンで始まった。
決算自体は悪くなかったのに、株価は下がった。
それ以来、決算を跨ぐポジションは慎重になりました。
決算の内容を予測することと、決算後の株価の動きを予測することは、別物です。
いい決算が出ても株価が上がるとは限らない。
このことは、頭に入れておいた方がいいと思います。
テクニカル派の付き合い方
筆者はテクニカル分析がメインなので、決算短信を深く読み込むことはしません。
ただ、決算発表のスケジュールは把握しておきます。
持っている銘柄がいつ決算を発表するかは、必ずチェックする。
決算を跨ぐかどうかで、リスクが大きく変わるからです。
決算短信自体は、売上、純利益、利益率の3つをさっと確認する程度。
それ以上は、自分の土俵ではないと割り切っています。
ファンダメンタルを深掘りしたい人は、もっと細かく見ればいい。
でも、全員がそうする必要はない。
自分のスタイルに合った付き合い方を見つければいいと思います。
決算短信は、企業の成績表みたいなものです。
全部読む必要はないけど、最低限のポイントは押さえておきたい。
売上、純利益、利益率。
この3つを見るだけでも、その会社がどういう状態かはなんとなくわかります。
あとは、決算の反応は読めないということを受け入れる。
予測しようとして外すより、決算前後はポジションを軽くしておく方が、精神的にも楽です。

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