勝率が高いのに、口座が増えない。
逆に、勝率が低いのに、増えていく人もいる。
この差を分けるのが、期待値。
期待値って言うと難しそうだけど、要はこう。
その手法を繰り返したら、平均で増えるのか減るのか。
この記事でわかること
- 期待値の基本式(めちゃシンプル)
- R倍数を使った“トレーダー向け”の見方
- 期待値を計算するためのデータの取り方
- よくある勘違い(勝率信仰)
期待値の式(利益を平均で見る)
期待値(E)は、ざっくりこう。
E = 勝率 × 平均利益 − 負率 × 平均損失
(負率 = 1 − 勝率)
これだけ。
ただ、円で計算すると銘柄やロットでブレる。
だからおすすめは、R倍数で見ること。
R倍数で期待値を作る(めちゃ便利)
R倍数の考え方を一言で言うと、
- 1R = そのトレードで許容する損失(損切り幅)
で、利益も損失も「R」で揃える。
R倍数の記事が土台。
→ 利確と損切りのバランス|R倍数という考え方
Rで揃えると、期待値はこうなる。
E(R)= 勝率 × 平均勝ちR − (1 − 勝率) × 平均負けR
平均負けRは、普通は「1R」になってるはず(損切り守れていれば)。
計算例:勝率が低くても勝てる
例1:勝率40%、平均勝ち2.5R、平均負け1R
E = 0.4×2.5 − 0.6×1
= 1.0 − 0.6
= +0.4R
1回あたり平均で0.4R増える。
勝率40%でも、余裕でプラス。
例2:勝率70%、平均勝ち1R、平均負け1R
E = 0.7×1 − 0.3×1
= +0.4R
これも同じく+0.4R。
勝率は違っても、期待値は同じ。
つまり、勝率は“見た目”で、期待値が“本体”。
期待値を出すには、トレード日誌が要る
期待値は、妄想じゃ出ない。
データが必要。
最低限ほしいのはこの4つ。
- その手法だけを抽出(セットアップ別)
- 勝率
- 平均勝ちR
- 平均負けR
これを回せるのがトレード日誌。
→ トレード日誌のつけ方と活用法|振り返りで勝率を上げる実践テクニック
「面倒」って気持ちはわかる。
でも、日誌がないと期待値は永遠に“感覚”のままになる。
期待値がプラスでも、連敗は普通に起きる
ここがメンタルを壊すポイント。
期待値がプラスでも、短期では負けが連続する。
だから、
- 1回の負けで手法を疑わない
- でも、手法の“ルール違反”は疑う
- そして、資金管理で生き残る
ここがセット。
資金管理はポジションサイズと同じ話。
→ ポジションサイズの決定方法|資金管理で生き残るトレーダーになる
よくある勘違い
勝率を上げれば勝てる?
勝率を上げるために利確を早くすると、平均勝ちRが小さくなる。
- 勝率↑
- 平均勝ちR↓
で、期待値が下がることは普通にある。
勝率は“数字の快感”が強いから、罠になりやすい。
一発の大勝ちで期待値が壊れる
たまたま取れた10Rで、平均勝ちRが跳ねる。
すると、期待値が良く見える。
だから、
- サンプル数を増やす
- 外れ値(異常値)を別枠で見る
この2つが大事。
期待値は、トレードの心臓の音だ。
ドクン、ドクン。
数字で鼓動が聞こえるようになると、余計な迷いが消える。

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