デイトレードは忙しいけど、長期投資は長すぎる。
私がスイングトレードを始めたのは、まさにそんな理由でした。
仕事をしながらでもできそうだし、数日〜数週間で結果が出るからモチベーションも保ちやすい。
ただ、最初の2年くらいは全然勝てませんでした。
適当に「上がりそう」と思った銘柄を買って、下がったら塩漬け。
また別の銘柄を買って、また塩漬け。資金がどんどん減っていく。
転機になったのは、銘柄選定に明確な基準を設けるようになってからです。
「なんとなく」をやめて、条件に合う銘柄だけを選ぶ。
それだけで、だいぶマシになりました。
この記事では、私が実際に使っている銘柄選定の方法を紹介します。
「これで必ず勝てる」なんて言いません。
でも、少なくとも私はこの方法で、勝つ月と負ける月を繰り返しながら、トータルではプラスを維持できるようになりました。
「月利10%」という数字について
ネットで「スイングトレード 月利10%」みたいな記事をよく見かけます。
私も昔、そういう記事を読んで「自分もできるかも」と思っていました。
正直に言うと、月利10%を「安定的に」出し続けるのは、かなり難しいです。
年率換算で120%以上。
プロのヘッジファンドでもそんな成績は出せません。
私の場合、良い月で5〜10%、悪い月でマイナス5%、トントンの月もある、という感じ。
年間トータルでプラスになれば御の字、くらいの感覚でやっています。
「月利10%を目指す」のは自由ですが、それを前提に資金計画を立てると危険です。
過度な期待は持たないほうがいい、というのが私の正直な意見です。
スイングトレードの特徴
数日から数週間の期間で取引を完結させる手法です。
デイトレードと違って、1日中チャートに張り付く必要がない。
朝と夜にチェックするくらいで十分。
ただし、オーバーナイトリスク(夜間に何かが起きて翌朝ギャップダウン)は避けられません。
決算発表や重大ニュースで、一晩で10%以上動くこともある。
これは受け入れるしかない。
銘柄選定で私が見ているポイント
ここからは、私が実際に銘柄を選ぶときに見ているポイントを説明します。
教科書的な「5つの条件」みたいな話ではなく、実際にどうやっているかを書きます。
まず流動性。これだけは絶対
流動性が低い銘柄は、売りたいときに売れません。
これが一番怖い。
私は1日の売買代金が最低でも5000万円、できれば1億円以上ある銘柄しか触りません。
東証プライムの銘柄が基本。
グロース市場の小型株は、流動性が足りないことが多いので、よほど自信があるとき以外は避けています。
昔、流動性の低い銘柄で痛い目を見たことがあります。
含み損が膨らんで「もう無理だ」と思って成行で売ろうとしたら、板がスカスカで、想定よりかなり安い価格でしか売れなかった。
あれ以来、流動性は最優先で見ています。
トレンドが出ているか
スイングトレードは基本的にトレンドフォローです。
上がっている銘柄を買って、さらに上がるのを待つ。
私は移動平均線を見ています。
25日線と75日線が上向きで、価格がその上にある。
これが上昇トレンドの基本形。
レンジ相場(横ばい)の銘柄は、スイングには向かないので避けます。
適度な値動きがあるか
値動きがなければ利益も出ません。
ATR(平均真の範囲)を見て、ある程度の値動きがあることを確認しています。
ただ、ボラティリティが高すぎるのもリスクなので、バランスが大事。
チャートパターンやシグナル
ダブルボトムや逆三尊などのチャートパターンが出ていると、エントリーの根拠になります。
ゴールデンクロス直後とか、移動平均線でサポートされて反発したところとか。
ただ、パターンが出たからといって必ず上がるわけではないので、過信は禁物。
「根拠の一つ」くらいの位置づけです。
ファンダメンタルズは最低限
スイングトレードはテクニカル中心なので、ファンダメンタルズを細かく見る必要はないと思っています。
ただ、「決算発表がいつか」「最近、重大な悪材料がないか」くらいは確認します。
テクニカル的には良いのに、決算で大暴落、というのは避けたい。
決算発表が近い銘柄は、持ち越すかどうか慎重に判断しています。
私のスクリーニング手順
実際にどうやって銘柄を絞り込んでいるか、流れを説明します。
まず、TradingViewのスクリーナーで、東証プライム、売買代金1億円以上、移動平均線が上向き、という条件で絞り込みます。
これで50〜100銘柄くらいになる。
次に、1つずつチャートを開いて目視で確認。
きれいな上昇トレンドが出ているか、チャートパターンがあるか、出来高はどうか。
この段階で、ほとんどの銘柄が脱落します。
最終的に「これは」と思う銘柄が3〜5個残ったら、そこから決算発表日やニュースを確認して、エントリーするかどうか決める。
地味な作業ですが、これをサボると勝率が下がります。「なんとなく上がりそう」で選んでいた頃より、明らかに結果が良くなりました。
エントリーとエグジット
エントリーのタイミング
私がよく使うのは「押し目買い」です。
上昇トレンド中に、価格が移動平均線まで下がってきて、そこで反発したらエントリー。
ブレイクアウト(高値更新で買う)もやりますが、こっちは高値掴みになることも多いので、慎重にやっています。
出来高が増えているか、他の指標もチェックしてから。
損切りは絶対
これは本当に大事。
損切りできないと、スイングトレードは続けられません。
私はエントリーと同時に損切りラインを決めています。
だいたいエントリー価格の5〜7%下。
移動平均線を明確に割り込んだら、という基準で設定することもあります。
「もう少し待てば戻るかも」と思って損切りを先延ばしにした結果、塩漬け株が増えていく…というのは、私も昔よくやりました。
今は機械的に切るようにしています。
利確のタイミング
利確は損切りより難しい。
「もっと上がるかも」と思って持ち続けて、結局下がってしまう、というのもよくある話。
私は目標株価を決めておくか、トレーリングストップ(価格が上がったら損切りラインも上げていく)を使っています。
決算発表前は、持ち越すリスクを考えて、一旦利確することも多い。
リスク管理
銘柄選定より大事かもしれないのが、リスク管理です。
私は1銘柄に資金の20〜30%以上は入れません。
3〜5銘柄に分散して、1つが失敗しても致命傷にならないようにしています。
あと、月間の損失上限も決めています。
資金の10%を超える損失が出たら、その月は新規エントリーを止める。
冷静さを失っている可能性があるので。
リスクリワード比も意識しています。
損切り5%に対して、利確目標は10%以上。
1:2以上のリスクリワードがないと、エントリーしないルールにしています。
まとめ
スイングトレードの銘柄選定について、私のやり方を紹介しました。
正直、この方法でも負けることはあります。
相場が悪いときは何を買ってもダメだし、予想外のニュースで急落することもある。
「必ず勝てる方法」なんてものは存在しません。
でも、「なんとなく」で選んでいた頃に比べれば、だいぶマシになりました。
明確な基準を持つことで、感情に左右されにくくなる。
負けたときも「ルール通りにやって負けたなら仕方ない」と思えるようになる。
最初は少額から始めて、自分なりのルールを作っていくことをおすすめします。
他人のルールをそのまま真似してもうまくいかないことが多いので、自分の性格やリスク許容度に合わせて調整してください。
スイングトレードは、仕事をしながらでも続けられる良い手法だと思います。
焦らず、コツコツやっていきましょう。

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