寄り付きって、静かな海じゃない。
いきなり波が立つ。
板が薄いところは飛ぶ。
ニュース一発で空気が変わる。
特にギャップ(窓)が空いた日は、いつもより危険。
でも、危険ってことは、ルールがある人にはチャンスでもある。
目次
この記事でわかること
- ギャップが起きる理由(日本株/指数の目線)
- 寄り付きで事故る典型パターン
- 立ち回り3パターン(触らない/ゴー/フィル)
- 寄り付き用チェックリスト
ギャップとは何か
前日終値と当日始値の間に、価格の空白ができること。
- ギャップアップ:始値が上
- ギャップダウン:始値が下
この“空白”は、夜の間に溜まった情報と注文の結果だ。
日本株でギャップが起きる主な理由
- 米国株の急変(引け後の余韻)
- 為替(特にドル円)の急変
- 決算・業績修正・材料
- 指数の先物の動き
- 地政学・マクロイベント
このあたりは、前日に察知できることも多い。
寄り付きで事故る理由(ここが本質)
寄り付きは「情報が揃ってない」のに、注文だけが先にぶつかる。
- 気配が飛ぶ
- スプレッドが広がる
- 成行が滑る
- 板が薄い銘柄は一瞬で別世界へ
つまり、寄り付きは“条件が悪い”。
だから、寄り付きは「上手い/下手」より、設計の差が出る。
立ち回り3パターン
① 触らない(最強)
まずこれ。
- 最初の5〜15分は“観察”
- 初動の方向が固まってから入る
寄り付きの上下は、ただのノイズのことも多い。
「触らない」は、相場環境認識の延長線だ。
→ 相場環境認識|今がどんな相場かを判断する方法
② ギャップ・アンド・ゴー(窓を空けたまま走る)
条件が揃うと、寄り付きから一方向に走る。
見るポイントは、
- 寄りから出来高が入ってる(本気の参加者がいる)
- 直近高値/安値を一気に抜ける
- 押し目が浅い(買い/売りが強い)
「走る日」は逆張りしない。
順張りのルールだけ持っておく。
③ ギャップフィル(窓埋め)
逆に、ギャップが“行き過ぎ”のときは戻る。
- ギャップ方向に初動で伸びるが、出来高が続かない
- 直近の節目で止まる
- じわじわ前日終値方向へ戻る
ただし、これを決め打ちすると死ぬ。
“戻り始めたのを確認してから”が基本。
決算ギャップは別物(危険度が上がる)
決算は、ギャップの破壊力が段違い。
- 10%、20%が普通に起きる
- 損切り逆指値が飛ぶ(ギャップで通る)
決算前後の立ち回りは、ここが土台。
→ 決算シーズンの立ち回り方|四半期ごとのチャンスとリスクを制する
決算短信の最低限はここ。
→ 決算短信の読み方|最低限押さえる3つのポイント
寄り付きチェックリスト(テンプレ)
ギャップが出たら、寄り前にこれを見る。
- 何が原因のギャップ?(決算/為替/米国/指標)
- その銘柄の平均出来高に対して、今の気配は強い?
- 直近のサポレジ帯はどこ?(抜けた?止まってる?)
- 窓の方向に走ってる?戻ってる?(初動の出来高で判断)
- “触らない”という選択肢を残してる?
寄り付きは、相場の声が一番うるさい時間。
うるさい場所では、叫ぶより、
静かに観察して、確かな波だけ拾う方が強い。

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