決算シーズンの立ち回り方｜四半期ごとのチャンスとリスクを制する

決算発表で、株価が大きく動いた──

こういう経験は、誰もがしているはずです。

決算シーズンは、予測が難しい時期です。

しかし、立ち回り方を知っておけば、無駄な損失を避けられます。

この記事では、決算シーズンの基本パターンと、筆者が実践している立ち回り方を解説します。

【この記事でわかること】
・決算シーズンの基本
・決算前後の値動きパターン
・筆者の実践的な立ち回り方
・決算後のエントリー戦略

決算シーズンの基本

まず、決算シーズンの基本を押さえましょう。

四半期ごとに訪れる

日本企業の多くは、3月決算です。

決算発表は、四半期ごとに行われます。

• 第1四半期(4〜6月): 7〜8月に発表
• 第2四半期(7〜9月): 10〜11月に発表
• 第3四半期(10〜12月): 1〜2月に発表
• 本決算(1〜3月): 4〜5月に発表

特に、4〜5月の本決算シーズンは、最も多くの企業が発表するため、市場全体が活発になります。

決算で株価が動く理由

決算発表では、企業の業績が明らかになります。

• 売上高
• 営業利益
• 純利益
• 業績予想(来期の見通し)

これらの数字が、市場の予想と異なると、株価は大きく動きます。

予想と実績のギャップが重要

決算で重要なのは、「予想と実績のギャップ」です。

好決算でも、「予想通り」なら、株価はあまり動きません。

逆に、悪決算でも、「予想より良い」なら、株価は上がることがあります。

つまり、絶対的な数字ではなく、市場の期待との差が株価を動かします。

決算前後の値動きパターン

決算前後の値動きには、いくつかのパターンがあります。

決算前に上昇、発表後に下落(材料出尽くし)

最もよくあるパターンです。

「好決算が出るだろう」という期待で、決算前に株価が上昇します。

しかし、決算発表後、「期待通り」または「期待以下」だった場合、材料出尽くしで株価が下落します。

決算前に急上昇している銘柄は、このパターンに注意が必要です。

決算前に下落、発表後に上昇(悪材料出尽くし)

逆のパターンもあります。

「悪い決算が出るだろう」という不安で、決算前に株価が下落します。

しかし、決算発表後、「予想ほど悪くなかった」場合、悪材料出尽くしで株価が上昇します。

サプライズで急騰・急落

予想外の内容が発表されると、株価は大きく動きます。

ポジティブサプライズ:

• 予想を大幅に上回る業績
• 上方修正
• 増配・自社株買い発表

ネガティブサプライズ:

• 予想を大幅に下回る業績
• 下方修正
• 減配・無配発表

サプライズの場合、10%以上動くことも珍しくありません。

決算後にトレンドが形成される

決算発表後、新しいトレンドが形成されることがあります。

好決算 → 上昇トレンド開始 悪決算 → 下落トレンド開始

決算は、トレンドの転換点になることがあります。

筆者の実践的な立ち回り方

ここからは、筆者が実際にどう立ち回っているかを紹介します。

基本方針:決算跨ぎはしない

筆者の基本方針は、決算跨ぎをしないことです。

決算跨ぎとは、決算発表をまたいでポジションを保有することです。

筆者は、初心者の頃、決算跨ぎをして痛い目を見ました。

「好決算が出るはず」と思って保有していたら、材料出尽くしで急落したのです。

この経験から、決算跨ぎは危険だと学びました。

決算前にポジション解消する

筆者は、保有銘柄の決算発表前に、ポジションを解消します。

決算で上がるか下がるかは、予測が非常に難しいです。

どんなに業績が良くても、市場の期待を下回れば、下がります。
どんなに業績が悪くても、市場の期待を上回れば、上がります。

この「市場の期待」を正確に把握することは、ほぼ不可能です。

だから、ギャンブルを避けるために、決算前にポジションを解消します。

なぜ日銀発表と対応が違うのか

日銀政策の記事では、「保有銘柄は持ち続けてテクニカルで判断」と書きました。

しかし、決算では「ポジション解消」と、対応が違います。

理由:影響範囲の違い

日銀発表は、市場全体に影響します。
個別銘柄が突然10%、20%動くことは稀です。

一方、決算は個別銘柄の話です。
1銘柄がいきなり10%、20%動くことがあります。

テクニカルで損切りしても、間に合わないことがあるのです。

だから、決算は事前にポジションを解消し、日銀は保有継続という違いが生まれます。

決算発表日の確認方法

保有銘柄の決算発表日は、必ず確認しましょう。

確認方法:

• 証券会社のサイト
• TradingViewの銘柄情報
• 企業のIRサイト
• 決算発表スケジュールサイト

決算発表の3営業日前までには、ポジションを解消するようにしています。

決算後のエントリー戦略

決算発表後は、新しいエントリーのチャンスです。

筆者の決算後のエントリー戦略を紹介します。

上がっていたら入る

決算発表後、株価が上昇していたら、エントリーを検討します。

好決算で上がった銘柄は、そのまま上昇トレンドが続くことがあります。

決算という「材料」が出て、市場が評価した結果が「上昇」なら、その流れに乗るのが合理的です。

下がっていたら入らない

決算発表後、株価が下落していたら、エントリーしません。

「下がったから安い」と思って買うと、さらに下がることがあります。

悪決算で下がった銘柄は、しばらく下落トレンドが続くことが多いです。

「底を拾おう」という逆張りは、危険です。

下落が止まり、上昇トレンドに転換してから、エントリーを検討します。

決算後のテクニカル確認

決算後にエントリーする際は、テクニカルも確認します。

• 移動平均線の向き
• RSIの水準
• 出来高の増加

決算で上がっても、テクニカルが悪ければ、エントリーは見送ります。

決算という「ファンダメンタルズ」と、チャートという「テクニカル」の両方が揃ったときだけ、エントリーします。

決算シーズンの注意点

最後に、決算シーズンの注意点をまとめます。

注意点1:決算前に急上昇している銘柄は避ける

決算前に急上昇している銘柄は、期待が織り込まれている可能性が高いです。

決算発表後、「材料出尽くし」で下落するリスクがあります。

筆者も、過去にこのパターンで高値掴みをしました。

決算前に急上昇している銘柄は、避けるようにしています。

注意点2:決算直前のエントリーは控える

決算発表の3営業日前からは、新規エントリーを控えます。

どうしてもエントリーしたい場合は、ポジションサイズを小さくして、リスクを抑えます。

注意点3:過去の決算時の値動きを確認する

銘柄によって、決算時の値動きに傾向があります。

「いつも決算後に下がる銘柄」 「いつも決算後に上がる銘柄」

過去の決算時の値動きを確認することで、傾向が見えることがあります。

TradingViewなら、過去のチャートを簡単に確認できます。

まとめ:決算は跨がない、上がったら入る

決算シーズンは、チャンスでもありリスクでもあります。

この記事のポイントをおさらい
・決算前後の値動きには「材料出尽くし」などのパターンがある
・筆者の基本方針は「決算跨ぎをしない」
・決算前にポジションを解消し、ギャンブルを避ける
・決算後、上がっていたら入る。下がっていたら入らない
・決算前に急上昇している銘柄は避ける

筆者も、初心者の頃は決算跨ぎで痛い目を見ました。

しかし、「決算跨ぎはしない」というルールを作ってから、無駄な損失を避けられるようになりました。

決算は予測できない。だから、ギャンブルはしない。

この原則を守れば、決算シーズンを安全に乗り切れます。

決算シーズンと同様に、日銀政策発表も相場が大きく動くタイミングです。
日銀政策との付き合い方については、別の記事で詳しく解説していますので、ぜひ併せてご覧ください。