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TPO分析とは?|バリューエリアの読み方

「価格がどの水準で一番取引されているか」がわかったら、トレードに有利だと思いませんか?

TPO分析(マーケットプロファイル)は、まさにそれを可視化するツールです。
ローソク足や移動平均線とは全然違う切り口で相場を見ることができる。

正直に言うと、最初はとっつきにくいです。
私も初めて見たとき「なんだこのアルファベットの山は」と思いました。
でも、基本を理解してしまえば、そこまで複雑ではありません。

この記事では、TPO分析の基本を、私なりにかみ砕いて説明していきます。

目次

TPO分析(マーケットプロファイル)って何?

TPOは「Time Price Opportunity」の略。
日本語にすると「時間・価格・機会」みたいな感じですが、正直この名前から内容を想像するのは難しい。

要するに、「どの価格帯で、どれだけ時間をかけて取引されたか」を可視化するものです。

ローソク足チャートとの違い

普通のローソク足チャートは、横軸が時間、縦軸が価格ですよね。
左から右に時間が流れていく。

TPOチャートは発想が違います。
価格を縦軸に取って、「その価格帯でどれだけ滞在したか」を横方向に積み上げていく。
だから、長く取引された価格帯は横に厚くなり、あまり取引されなかった価格帯は薄くなる。

この「厚み」が重要なんです。
厚い価格帯は、市場参加者が「この辺が適正価格だ」と思って売買していた証拠。
薄い価格帯は、さっさと通過しただけ。

どこから来たのか

1980年代に、シカゴ商品取引所(CBOT)で活躍していたピーター・スタイドルメイヤーという人が開発しました。
もともと先物市場向けでしたが、今では株式、FX、暗号資産など、いろんな市場で使われています。
「プロが使っている」というイメージがありますが、個人トレーダーでも普通に使えます。

まず覚えるべき3つの概念

TPO分析で最初に覚えるべきは、バリューエリア、POC、初期バランスの3つです。
これさえ理解すれば、とりあえずTPOチャートを見て何かがわかるようになります。

バリューエリア(Value Area

バリューエリアは、その日の取引の約70%が行われた価格帯のこと。
「約70%」というのは統計的な数値で、正規分布の1標準偏差に相当します。

この価格帯の上限をVAHValue Area High)、下限をVALValue Area Low)と呼びます。

バリューエリアの意味は「市場参加者の多くが、この価格帯を適正だと思っている」ということ。
だから、価格がバリューエリアから大きく外れると、「割高すぎる」「割安すぎる」と感じた参加者が反対売買を始めて、元のエリアに戻ろうとする力が働く。

私はこれを「ゴムバンド」みたいなイメージで捉えています。伸びすぎると戻る力が働く、という感じ。

POCPoint of Control

POCは、最も取引が集中した価格帯。
TPOチャートで一番横に厚い部分がPOCです。

これが実践でけっこう使えるんですよ。
POCは「公正価格」みたいなもので、多くの参加者がそこで売買したということは、その価格が意識されているということ。
だから、その後も強力なサポートやレジスタンスとして機能しやすい。

特に前日のPOCは重要です。
翌日になっても意識されることが多くて、価格が前日のPOCに近づくと、そこで反発したり止まったりすることがよくある。
私は前日のPOCを必ずチャートに表示させています。

初期バランス(Initial Balance

取引開始後の最初の12時間の値動き範囲のこと。
市場が開いて最初の時間帯は、参加者が「今日はどのへんが適正価格か」を探っている状態。

初期バランスを価格が突破すると、その方向にトレンドが出やすい。
逆に、初期バランス内で推移し続けるとレンジ相場になりやすい。
私は日中トレードをするときに、初期バランスのブレイクを狙うことが多いです。

TPOチャートの形を読む

TPOチャートは、その日の相場によって形が変わります。
この形を見ることで、相場の性質がわかる。

釣鐘型(レンジ相場)

中央が厚くて、上下に薄くなる、きれいな釣鐘型。
これは買いと売りが拮抗していて、方向感がない状態。
レンジ相場です。
この形が出ているときは、無理にトレンドを取ろうとしないほうがいい。

偏った形(トレンド相場)

上部が厚くて下部が薄い形は、買いが優勢で上昇トレンド。
逆に下部が厚くて上部が薄い形は、売りが優勢で下降トレンド。

教科書的には「b型」「p型」なんて呼び方をしますが、正直、名前はどうでもいい。
「どっちに偏っているか」を見ればいいだけです。

実践での使い方

ここからは、私が実際にどう使っているかを説明します。

POCでの反発を狙う

一番シンプルな使い方は、前日のPOCでの反発狙いです。
価格が前日のPOCに近づいてきたら、そこで反発するかどうかを見る。
ローソク足で反転パターンが出たら、エントリーを検討する。

ただ、POCだからといって必ず反発するわけではありません。
そのまま突き抜けることもある。
だから、POCに近づいたら「注目する」くらいの意識で、他の指標も確認してからエントリーを決めます。

バリューエリアからの乖離を利用する

価格がバリューエリアから大きく外れると、戻ろうとする力が働く。
これを利用して逆張りするやり方もあります。

ただし、これはけっこう難しい。
「どこまで離れたら離れすぎなのか」の判断が曖昧だし、トレンドが強いときはそのまま突き抜けていくこともある。
私は何度か痛い目を見たので、今はあまり積極的には使っていません。
やるとしても、他の指標で「そろそろ戻りそう」というサインが出ているときだけ。

高値掴みを避ける

これが個人的には一番役に立っています。

ローソク足だけ見ていると、上昇している相場で「まだ上がるかも」と飛びついてしまうことがある。
でもTPOチャートを見ると、高値圏でPOCが形成されていて、「ここで売り圧力が強まっている」ということがわかる。
それを見て「ここで買うのは危ないな」と判断できる。

無駄なエントリーを避けるために、TPOチャートを確認する。これだけでもかなり価値があると思っています。

注意点

慣れるまで時間がかかる

TPO分析は、ローソク足とは見方がまったく違うので、慣れるまで時間がかかります。
私も最初の数ヶ月は「見てもよくわからない」状態でした。
毎日見ていると、だんだん意味がわかってくる。焦らずやってください。

リアルタイムでは確定しない

バリューエリアもPOCも、その時間帯が終わってから確定します。
だから、リアルタイムで「今POCはここ」と思っていても、時間が経つと変わることがある。
日中トレードでは、これを意識しておく必要があります。

単独では使わない

TPO分析は強力なツールですが、これだけで完璧な判断はできません。
ローソク足パターン、移動平均線、出来高など、他の分析と組み合わせて使うのが基本です。

まとめ

TPO分析は、価格と時間の関係を可視化することで、「どの価格帯が意識されているか」がわかるツールです。

最初はとっつきにくいですが、バリューエリア、POC、初期バランスの3つを覚えれば、基本的な読み方はできるようになります。

私の場合、TPO分析を覚えてから「無駄なエントリーが減った」という実感があります。
ローソク足だけでは見えなかった情報が見えるようになる。
それだけでも、学ぶ価値はあると思います。

最初は難しく感じると思いますが、毎日チャートを見ていれば慣れます。
まずは前日のPOCを意識するところから始めてみてください。

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この記事を書いた人

投資歴10年。様々なインジケーターや分析サイトを駆使し市場と向き合ってきた

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