日銀の政策発表で、相場が大きく動いた──
こういう経験は、誰もがしているはずです。
発表前に売っておけばよかった
発表後に買っておけばよかった
後から振り返れば、いくらでも言えます。
しかし、事前に予測することは、非常に難しいです。
だからこそ、パターンを知っておくことが重要です。
この記事では、日銀政策の基本パターンと、それに対するトレード戦略を解説します。
【この記事でわかること】
・日銀政策の基本(金融緩和と引き締め)
・日銀政策発表時の市場パターン
・筆者の実践的な立ち回り方
・サプライズへの対処法
日銀政策の基本
まず、日銀政策の基本を押さえましょう。
金融緩和とは
金融緩和とは、市場にお金を供給する政策です。
具体的には、
- 政策金利を下げる
- 国債を買い入れる(量的緩和)
- ETFを買い入れる
これらの政策により、市場にお金が流れ込み、株価は上がりやすくなります。
金融引き締めとは
金融引き締めとは、市場からお金を回収する政策です。
具体的には、
- 政策金利を上げる
- 国債の買い入れを減らす(テーパリング)
- ETFの買い入れを止める、売却する
これらの政策により、市場からお金が引き上げられ、株価は下がりやすくなります。
日銀政策決定会合
日銀は、年8回の政策決定会合で金融政策を決定します。
会合の日程は、事前に公表されています。
発表は、会合終了後(通常は昼頃)に行われます。
この発表の瞬間、市場は大きく動くことがあります。
日銀政策発表時の市場パターン
日銀政策発表時の市場の動きには、いくつかのパターンがあります。
織り込み済みで動かない
事前に予想されていた内容が発表された場合、市場はあまり動きません。
「予想通りだった」 「サプライズはなかった」
こういう場合、発表前後で大きな変動はありません。
サプライズで大きく動く
予想外の内容が発表された場合、市場は大きく動きます。
ポジティブサプライズ(株価上昇):
- 予想以上の金融緩和
- 利上げ見送り
- 新たな買い支え策
ネガティブサプライズ(株価下落):
- 予想以上の金融引き締め
- 利上げ決定
- 買い支え策の終了・縮小
サプライズの度合いが大きいほど、値動きも大きくなります。
発表後に反転する
発表直後は大きく動いても、その後反転することがあります。
「材料出尽くし」パターン:
- 発表前に期待で上昇
- 発表後、「出尽くし」で下落
「悪材料出尽くし」パターン:
- 発表前に不安で下落
- 発表後、「悪材料出尽くし」で上昇
発表直後の動きに飛び乗ると、反転に巻き込まれることがあります。
発表前にポジション調整が起きる
機関投資家は、発表前にポジションを調整することがあります。
- リスク回避のため、ポジションを減らす
- 発表後の動きに備えて、現金を確保する
このため、発表前に相場が動くことがあります。
筆者の実践的な立ち回り方
ここからは、筆者が実際にどう立ち回っているかを紹介します。
基本方針:様子見
筆者の基本方針は、様子見です。
日銀発表で、すごく動くときもあれば、動かないときもあります。
予測は難しいので、無理に動かないようにしています。
保有銘柄は持ち続ける
日銀発表があるからといって、保有銘柄を手放すことはしません。
あくまで、テクニカルで判断します。
- 移動平均線を割ったら損切り
- RSIが50を割ったら損切り
- 買いシグナルが消えたら損切り
日銀発表という「イベント」ではなく、市場が出す「シグナル」で判断します。
これは、損切りルールの記事で解説した「市場基準」の考え方と一貫しています。
なぜイベント前にポジションを減らさないのか
「発表前にポジションを減らした方が安全では?」
確かに、そういう考え方もあります。
しかし、筆者は以下の理由から、ポジションを減らしません。
予測できない
発表内容が「サプライズ」になるかどうかは、事前に予測できません。
ポジションを減らしたのに、株価が上がったら、機会損失になります。
テクニカルで対応できる
日銀発表後に下がったとしても、テクニカルで損切りすれば、傷は限定的です。
発表前に「予防的に」ポジションを減らす必要はありません。
売買コストがかかる
ポジションを減らして、また買い直すと、売買コストがかかります。
頻繁に出し入れするのは、効率的ではありません。
サプライズへの対処法
テクニカルで対応できる──と言いましたが、限界もあります。
筆者の失敗経験:日銀ETF売却
筆者は、日銀がETFを売却するという報道で、痛い目を見ました。
長年、日銀は株式市場の買い支え役でした。
その日銀が、売り手に回るかもしれない──
この報道で、市場全体が売られました。
筆者の保有銘柄も、軒並み下がりました。
テクニカルで損切りしましたが、全銘柄が同時に下がる状況では、逃げ場がありませんでした。
サプライズは避けられない
こういったサプライズは、テクニカルでは対応しきれません。
事前に予測することは不可能です。
できることは、以下の2つです。
分散投資
1銘柄に集中投資していると、その銘柄が暴落したとき、致命傷を負います。
複数銘柄に分散していれば、ダメージを軽減できます。
ただし、日銀ETF売却のような「市場全体」に影響するサプライズでは、分散していても全銘柄が下がります。
受け入れる
サプライズによる損失は、トレードのコストとして受け入れるしかありません。
どんなに優れたトレーダーでも、サプライズを完全に避けることはできません。
大事なのは、サプライズ以外の局面で、しっかり利益を積み上げることです。
日銀以外のサプライズも同じ
日銀だけでなく、以下のようなサプライズも、同じように対応しきれません。
- 米国の金融政策(FRB)
- 地政学的リスク(戦争、テロなど)
- 自然災害
- パンデミック
これらは、予測不可能です。
起きたときに、テクニカルで対応する。 それでもダメなら、コストとして受け入れる。
これが、現実的な対処法です。
まとめ:日銀政策は「様子見」でテクニカル対応
日銀政策に振り回されないためには、パターンを知り、冷静に対応することが重要です。
この記事のポイントをおさらい ・金融緩和は株価上昇、金融引き締めは株価下落の傾向 ・発表時は「織り込み済み」「サプライズ」「反転」などのパターンがある ・筆者の基本方針は「様子見」で、保有銘柄はテクニカルで判断 ・サプライズは避けられない。コストとして受け入れる
筆者も、日銀ETF売却の報道で痛い目を見ました。
しかし、それはトレードのコストです。
サプライズを恐れて動けなくなるよりも、サプライズ以外の局面でしっかり利益を積み上げる方が、長期的には勝てます。
日銀発表を過度に恐れず、冷静にテクニカルで対応しましょう。
日銀政策と同様に、決算シーズンも相場が大きく動くタイミングです。
決算前後の立ち回り方については、別の記事で詳しく解説していますので、ぜひ併せてご覧ください。


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