株式市場は、経済指標の発表で動くことがある。
雇用統計、消費者物価指数、金融政策の発表。
こうしたイベントの前後で、相場の雰囲気が変わることがある。
経済指標を深く分析する必要はない。
ただ、いつ何が発表されるか、カレンダーを把握しておくだけで、相場の動きが理解しやすくなる。
主な経済指標
市場が注目する経済指標はいくつかある。
代表的なものを挙げておく。
米国雇用統計
毎月第一金曜日に発表される。
非農業部門雇用者数と失業率。
米国経済の健康状態を測る指標として、世界中が注目する。
消費者物価指数(CPI)
インフレ率を示す指標。
物価が上がりすぎると金利引き上げの観測が強まり、株式市場に影響する。
FOMC
米国の金融政策を決める会合。
利上げ・利下げの決定や、今後の方針が示される。
発表後に相場が大きく動くことがある。
日銀金融政策決定会合
日本の金融政策を決める会合。
金融緩和の継続や修正が焦点になることが多い。
為替にも影響し、日本株にも波及する。
GDP
国内総生産。
経済成長率を示す。
四半期ごとに発表される。
カレンダーを把握しておく
これらの指標がいつ発表されるか、カレンダーで把握しておくといい。
証券会社のサイトや、経済指標カレンダーを提供しているサイトがある。
週の初めに「今週は何があるか」を確認しておくだけで、相場の動きに対する心構えができる。
「なんで今日こんなに動いてるんだ」と思ったときに、経済指標の発表があったと後から気づく——そういう経験がある人は、カレンダーを見る習慣をつけるといいと思う。
ポジションをどうするか
経済指標の発表前に、ポジションを軽くするかどうか。
これは人によって考え方が違う。
筆者は、経済指標でポジションを変更することはほとんどない。
理由はシンプルで、決算ほどは動かないと思っているからだ。
決算は個別銘柄に直接影響する。
良い決算が出れば上がるし、悪ければ下がる。
銘柄によっては、一日で10%以上動くこともある。
経済指標は、市場全体に影響する。
ただ、個別銘柄への影響は、決算ほど直接的ではない。
もちろん動くことはあるけれど、決算のように致命的な動きになることは少ない。
だから、経済指標を跨ぐことは、決算を跨ぐほどは気にしていない。
決算との違い
決算は、その銘柄の業績が直接開示される。
良くても悪くても、株価に直結する。
持っている銘柄が決算を発表するなら、それは自分に直接関係するイベントだ。
経済指標は、市場全体の環境を動かす。
自分が持っている銘柄に関係あるかもしれないし、ないかもしれない。
影響があっても、間接的なことが多い。
この違いを理解しておくと、どこで慎重になるべきかが見えてくる。
発表後の動きを見る
経済指標の発表後、相場がどう反応したかを見ることは意味がある。
予想より良かったのに下がった。
予想より悪かったのに上がった。
そういう「織り込み済み」や「悪材料出尽くし」の動きは、相場の温度感を教えてくれる。
発表直後に飛び乗る必要はない。
ただ、発表後の動きを観察して、今の相場がどういう状態かを感じ取る。
それだけでも価値がある。
経済指標カレンダーは、相場の天気予報のようなものだ。
毎日細かく分析する必要はない。
でも、今週何があるかを把握しておくだけで、相場との付き合い方が変わってくる。

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