VWAPは、相場の“平均点”みたいなものだ。
その日の取引を、出来高で重み付けして平均した価格。
だから、ただの移動平均よりも「市場の実態」に近い。
そして何より、VWAPは機関の“基準”として意識されやすい。
この記事でわかること
- VWAPの意味と、なぜ見られるのか
- TradingViewでの表示方法
- VWAPの実践テンプレ（3パターン）
- VWAPが効かない日（避け方）
VWAPとは（超ざっくり）
VWAP = Volume Weighted Average Price
出来高加重平均価格。
式の雰囲気だけ書くと、
- 価格×出来高 を積み上げて
- 出来高で割る
つまり、出来高が多い価格ほど重く扱う平均だ。
「その日の参加者が、平均でどのあたりで取引してるか」
これが見える。
なぜVWAPが意識されるのか
理由はシンプル。
平均コストを割ると、含み損の人が増える。
平均コストを超えると、含み益の人が増える。
含み益が増えれば、押し目が買われやすくなる。
含み損が増えれば、戻りが売られやすくなる。
だからVWAPは、
- 上：買いが強い
- 下：売りが強い
の“地合い判定”として機能する。
TradingViewでの表示（やることは1つ）
TradingViewの「インジケーター」検索で VWAP を入れて追加するだけ。
TradingViewの基本設定はここ。
→ TradingViewの基本設定と活用法｜スクリーニングから詳細分析まで一つで完結
実践テンプレ①：トレンドフィルター（いちばん強い）
VWAPは、エントリーより先に「方向」を決めるのが強い。
- 価格がVWAPの上 → ロング優先
- 価格がVWAPの下 → ショート優先
- VWAPを跨いで行ったり来たり → 今日はレンジの可能性
レンジの日に、VWAPを根拠に順張りすると往復ビンタになりやすい。
実践テンプレ②：押し目/戻りの目安
トレンドの日は、押し目がVWAPで止まりやすい。
- 上昇トレンド：VWAPまで落ちたら“反応待ち”
- 下落トレンド：VWAPまで戻ったら“反応待ち”
「触れた瞬間」より、反応（下ヒゲ/出来高/短期足切り返し）を待つ方が安定する。
出来高の見方と組み合わせると精度が上がる。
→ 出来高分析の基本｜価格と出来高の関係
実践テンプレ③：利確と損切りの“節”として使う
VWAPを基準にすると、損切り/利確が機械化しやすい。
例（ロング）：
- エントリー：VWAP上の押し目
- 損切り：VWAPを明確に割れたら（少し下に置く）
- 利確：直近高値 or VWAPからの乖離が大きい所で一部
乖離を見るならATRとも相性がいい。
→ ATRの使い方｜ボラティリティを味方につける
VWAPが効かない日（というか、近づくな）
- 出来高が薄い（平均より明らかに少ない）
- ニュース/決算で一気に飛ぶ（ギャップ）
- VWAPを中心に上下に振れる（方向なし）
方向がない日は、VWAPは“中心線”になって、行ったり来たりする。
そういう日は、無理に当てにいかない。
触らないのも立派な手法。
デイトレの基本はここが土台。
→ デイトレードの基本と心構え｜自分に合うスタイルを見つける
VWAPは「未来」を見せない。
でも、今日の相場の“平均”は見せてくれる。
平均がわかると、
自分が今どこに立ってるかが、静かに見えてくる。
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