MACDは有名だけど、クロスで売買するとダマシに泣きやすい。
じゃあ捨てる?……じゃなくて、役割を変える。
MACDは「入る合図」じゃなく、いま相場が“走れる空気”かどうかを見る道具にすると強い。
つまり、MACDを「環境認識」に回す。
この記事は、MACDをシグナルにしない。
0ライン/ヒストグラム/ダイバージェンスで、相場の温度を読む話だけに絞る。
MACDは何を見ている?(まずここ)
MACDは、移動平均線(EMA)の差。
ざっくり言うと「短期が長期より強いか弱いか」を数値にしてる。
- MACDライン:短期EMA − 長期EMA
- シグナル:MACDラインをさらに平均したもの
- ヒストグラム:MACDライン − シグナル(差分)
ここで重要なのが 0ライン。
0ラインは「短期EMAと長期EMAが同じ」=トレンドの境目になりやすい。
だからMACDを環境認識に使うなら、まず0ラインが主役になる。
環境認識としてのMACD:3つの読み方
MACDを“環境認識”にするなら、見るものは3つだけ。
- 0ライン(地合い)
- ヒストグラム(勢い)
- ダイバージェンス(勢いのズレ)
順番はこの通り。
勢い(ヒストグラム)を見る前に、地合い(0ライン)を決める。
0ライン:地合いフィルター(上か下か)
0ラインは「大まかな上昇地合い/下降地合い」のフィルターになる。
- MACDラインが0より上:短期EMAが長期EMAより上 → 上昇地合い寄り
- MACDラインが0より下:短期EMAが長期EMAより下 → 下降地合い寄り
- 0付近を行ったり来たり:方向感が弱い(レンジ寄りの可能性)
ポイントはこれ。
MACDを“売買ボタン”にしないなら、0ラインは「やっていい方向」を決める道具。
例:買い目線で使うなら
- 上位足のMACDが0より上(地合いOK)
- 下位足は押し目でヒストグラムが冷えて、また戻る形を待つ
この「地合い→タイミング」の順番が崩れると、クロスに振り回される。
ヒストグラム:勢いの温度計(熱いか冷たいか)
ヒストグラムは「勢いの変化」が見える。
クロスよりも早く、空気が変わり始める。
- 山が高くなる(拡大):勢いが増えてる
- 山が低くなる(縮小):勢いが落ちてる
- 0をまたぐ:勢いの向きが切り替わりやすい(ただしレンジだと多発する)
環境認識としての使い方はシンプル。
“伸びてる最中”か、“息切れ”かを判断する。
エントリーの根拠じゃなく、ポジションの扱い(握る/軽くする/触らない)を決める。
ダイバージェンス:終焉の匂い(重要)
ここが抜けると、MACDを環境認識に使う意味が薄くなる。
MACD最大の強みは、勢いのズレを見せてくれること。
ダイバージェンス(逆行現象)とは
価格とMACD(特にヒストグラムやMACDライン)が“逆の動き”をする現象。
代表パターンは2つ。
- 弱気ダイバージェンス(天井の匂い)
価格:高値更新
MACD(ヒスト/ライン):高値更新できない(切り下がる)
→ 上は伸びてるのに、エンジンは弱ってる - 強気ダイバージェンス(底打ちの匂い)
価格:安値更新
MACD(ヒスト/ライン):安値更新できない(切り上がる)
→ 下は掘ってるのに、売りの勢いは弱ってる
ダイバージェンスの“正しい扱い”
これ大事。
ダイバージェンスは「反転サイン」じゃない。警報。
強いトレンドほど、ダイバージェンスは何度も出て、そのまま伸びる。
だから使い方はこう。
- 反転を当てにいかない
- 新規で追いかけない(飛び乗りをやめる)
- すでに持ってるなら 利確を早める/サイズを落とす/建値ストップ みたいに守りに回る
見つけ方(迷子にならないコツ)
1) 価格は「直近のスイング高値/安値」で比べる(細かいノイズは捨てる)
2) MACDは「ヒストグラムの山/谷」か「MACDラインの山/谷」で比べる
3) できれば サポレジ(節目)と重なってる場所だけ採用する
ダイバージェンス単体だと“気分”。
サポレジと合流させると“判断”になる。
設定値(パラメータ)は何が正解?
結論から言う。
- 迷ったら 基本の(12, 26, 9)でOK
理由は2つ。
- 多くの人が見てる基準で、相場の“共通言語”になりやすい
- いじるほど「過去に合わせた最適化(カーブフィット)」になりやすい
とはいえ、時間軸で好みは出る。
短期寄りにしたい場合
短期足(1分〜15分)で“反応を早くしたい”なら、短期/長期/シグナルを少し短くする人はいる。
ただし、速くするとノイズも増える。
なのでおすすめは、いきなり弄らずに順番を守る。
1) まず(12,26,9)で「0ラインとヒストの読み」を固定
2) それでも遅すぎると感じたら、一段だけ短くする
3) 設定を変えたら、見方(判断基準)も一緒に変える(同じ基準で見ると事故る)
“設定”じゃなくて“使い方”を先に固める。これが一番強い。
クロスは“行動”にしない:条件の一部に落とす
クロスをシグナルにすると、レンジで死ぬ。
環境認識で使うなら、クロスは「確認材料」くらいでいい。
環境認識テンプレ(買い側)
1) 上位足:MACDが0より上(地合いOK)
2) 価格:上位足で高値安値が切り上げ(トレンドの形)
3) 押し目:下位足でヒストグラムが縮小して“冷える”
4) 再点火:縮小→再拡大(勢いが戻る)
5) エントリーはサポレジの帯で決める(場所が先)
MACDは「場所を決める道具」じゃない。
場所は価格(サポレジ)で決めて、MACDは“迷いを減らす”。
レンジの見分け方(MACDが効かない場面)
MACDはトレンド系。
レンジだと、クロスが増えて“それっぽい合図”が量産される。
レンジっぽいサインはこれ。
- MACDが 0ライン付近で横ばい
- ヒストグラムの山が 小さいまま反転を繰り返す
- 価格はサポレジの帯に吸い寄せられて戻る(伸びない)
レンジだと判断したら、MACDに頼らない。
- 端で取る(サポレジ重視)
- もしくは触らない(勝ち筋が薄い)
「触らない」ができると成績が安定する。
組み合わせテンプレ:ADX×サポレジ×MACD
MACDの弱点は「トレンドの強さ」を直接は測りにくいこと。
そこでADX。
- ADXが上向き:トレンドが育ってる(走りやすい)
- ADXが低い:レンジ寄りの可能性(クロスが増える地獄)
テンプレはこう。
1) まずサポレジで“場所”を決める
2) ADXで「トレンドかレンジか」を判定
3) MACDで「勢いが戻ってきたか/息切れしてないか」を見る
3つが同じ方向を向いたときだけ、触る。
合流させるほど、ダマシは減る。
よくあるミス
- クロスを見てから“場所”を探す(順番が逆)
- 0ライン無視で逆張りになる(地合いに逆らう)
- ダイバージェンスだけで天底当てに行く(警報をボタンにする)
- 設定をコロコロ変えて、基準が崩れる(検証不能になる)
チェックリスト(保存用)
- 上位足のMACDは0より上/下どっち?(地合い)
- ヒストグラムは拡大/縮小どっち?(温度)
- 価格とMACDにダイバージェンスはある?(警報)
- サポレジの帯と重なってる?(場所)
- レンジの匂い(0付近横ばい/山が小さい反転連発)はない?
チェックが少ないほど、トレードはブレにくい。
まとめ
- MACDは「短期EMAと長期EMAの差」を見ている
- 環境認識としては 0ライン(地合い)→ヒスト(温度)→ダイバ(警報) の順
- ダイバージェンスは反転サインじゃなく、追いかけるのをやめる警報
- 設定は迷ったら(12,26,9)でOK。弄る前に“使い方”を固定する
- エントリーの場所はサポレジ。MACDは迷いを減らす役
MACDを“ボタン”にしない。
空気を読む道具にすると、途端に強くなる。

コメント