株価を動かすのは、業績だけじゃない。
同じくらい強いのが、需給。
需給は“理由”じゃなく“現象”として現れる。
だからこそ、材料(IR)を読めると、チャートの意味が深くなる。
この記事でわかること
- 自社株買い・増配・株式分割が効く理由(需給の視点)
- それぞれの“見方のコツ”
- 材料をトレードに落とす手順
- よくある罠(材料出尽くし)
需給イベント①:自社株買い
何が起きる?
会社が市場で自社株を買う。
つまり、買い需要が増える。
さらに、浮動株が減ると、需給が締まりやすい。
ここまでは教科書。
見るべきポイント(ここが現実)
自社株買いは、発表が出ても“結果が違う”ことがある。
見るポイントは3つ。
- 規模:発行済み株式に対してどのくらいか
- 期間:短期で買うのか、長期で薄く買うのか
- 進捗:買い終わったのか、枠だけで終わるのか
「取得枠」だけで、実際にはほとんど買わないケースもある。
だから、発表だけで盲信しない。
需給イベント②:増配
増配は、株主にとってわかりやすい“ご褒美”。
でも、増配で見るべきは「利回り」より、
- 継続できるか
- 一過性じゃないか
この2つ。
増配は業績(キャッシュ)とセットだから、決算の見方と繋がる。
需給イベント③:株式分割
分割は、会社の価値が増えるわけじゃない。
でも株価が動くことはある。
理由はだいたいこれ。
- 1株あたりの価格が下がって、買いやすくなる
- 流動性が上がって、参加者が増える
- 期待(“良い会社っぽい”)が先に走る
つまり、分割は心理と需給で動きやすい。
材料→需給→チャート(落とし込みの順番)
材料トレードで事故る人は、順番が逆。
「材料が出た!買い!」
これをやると、材料出尽くしで刈られる。
例えば順番はこうやって分析する。
1) 材料の中身を読む(規模/継続性/市場の想定との差)
2) 需給としてどう効くか想像する(買い需要がどれだけ増える?)
3) チャートで確認する(出来高、節目、反応)
出来高は嘘をつきにくい。
→ 出来高分析の基本|価格と出来高の関係
よくある罠:材料出尽くし
材料で一番多いのがこれ。
- 発表前に期待で上がる
- 発表後に「思ったほどじゃない」で売られる
決算で起きる“材料出尽くし”は特に多い。
→ 決算シーズンの立ち回り方|四半期ごとのチャンスとリスクを制する
情報はどこで拾う?
日本株なら基本は、
- 適時開示(TDnet)
- 企業のIRページ
- 証券会社のニュース
- チャート(出来高)
そして、情報は集めるより“絞る”方が強い。
→ トレード情報収集の効率化術|1日30分で市場の本質を掴む方法
需給イベントは、花火みたいなものだ。
明るい。派手。
でも、近づきすぎると火傷する。
だから、材料の光に目を奪われる前に、
出来高と節目で、熱さを測る。

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