一つの時間軸だけを見てトレードしていると、大きな流れを見失うことがある。
日足で上昇トレンドに見えても、週足で見たら下降トレンドの戻りだった。
そんな経験をしたことがある人は多いと思う。
複数の時間軸を組み合わせて見ることで、相場の全体像が見えてくる。
筆者が普段どう見ているか、書いてみたい。
時間軸の役割分担
筆者は、月足・週足・日足の3つを使い分けている。
月足でトレンドの大きな方向を確認する。
週足でその中の波を見る。
日足でエントリーとイグジットのタイミングを取る。
それぞれの時間軸に役割がある。
月足は「大きな流れ」、週足は「中期の波」、日足は「実際の売買判断」。
この役割を混同しないことが大事だ。
長い時間軸が優先
複数の時間軸を見ていると、シグナルが矛盾することがある。
月足は上昇トレンドなのに、日足では下がっている。
こういうとき、どちらを信じるか。
筆者は、長い時間軸を優先する。
月足のトレンドが一番大きな流れ。
その中で週足や日足が逆方向に動いているなら、それは「押し目」か「調整」の可能性が高い。
大きなトレンドに逆らっているわけではない。
逆に、月足のトレンドに対して週足・日足が完全に逆行しているなら、そもそも触らないという判断もある。
無理にエントリーする必要はない。
具体的な見方
たとえば、こんな流れで判断している。
まず月足を開いて、この銘柄が長期的に上昇傾向なのか、下降傾向なのか、横ばいなのかを確認する。
移動平均線の向きや、高値・安値の切り上げ・切り下げを見る。
次に週足を見る。
月足の大きなトレンドの中で、今どのあたりにいるのか。
押し目の途中なのか、高値圏なのか、安値圏なのか。
最後に日足でエントリーポイントを探す。
週足で押し目だと判断したなら、日足で反転のサインが出るのを待つ。
この順番が大事だと思っている。
いきなり日足を見て「下がってるから買いだ」と判断するのではなく、上位足で全体像を把握してから、日足に落とし込む。
上位足に逆らわない
複数時間軸分析で一番大事なのは、上位足に逆らわないことだと思う。
月足が下降トレンドなのに、日足の反発を見て買いで入る。
これは大きな流れに逆らっている。
短期的には利益が出ることもあるけれど、リスクが高い。
上位足と下位足の方向が揃っているとき。
これが一番シンプルで、勝ちやすい場面だと感じている。
月足も週足も上昇、日足で押し目から反発——こういう場面を待つ。
焦って、方向が揃っていないところでエントリーしない。
時間軸の選び方
筆者は月足・週足・日足を使っているけれど、これが正解というわけではない。
デイトレードなら、日足・4時間足・1時間足という組み合わせもある。
スキャルピングなら、もっと短い時間軸を使う人もいる。
大事なのは、「大きな流れ」「中期の波」「売買のタイミング」という3つの役割を、自分のトレードスタイルに合った時間軸に割り当てること。
スイングトレードで数日から数週間持つなら、月足・週足・日足がちょうどいい。
もっと短期なら、時間軸を下げればいい。
一つの時間軸だけでは、相場の一部しか見えない。
複数の時間軸を重ねることで、今自分がどこにいるのかが見えてくる——それが、複数時間軸分析の本質だと思う。

コメント