チャートを開いて、すぐにエントリーポイントを探し始める。
昔の筆者がそうだった。でも、それだと勝率が安定しない。
同じパターンでも、勝つときと負けるときがある。
理由はシンプルで、相場環境を見ていなかったからだ。
今がどんな相場なのか。
トレンドなのか、停滞なのか。
触っていい場面なのか、様子見すべき場面なのか。
それを判断してからエントリーを考えるようになって、無駄な負けが減った。
筆者が見ているもの
相場環境を判断するために、筆者はTPOと価格帯別出来高を使っている。
TPOは時間と価格の関係を可視化する。
価格帯別出来高は、どの価格帯でどれだけ取引されたかを示す。
この2つを見ることで、今の相場が「動いている」のか「止まっている」のかが見えてくる。
特に注目しているのは、POC(Point of Control)だ。
最も出来高が多い価格帯。
相場の「重心」のような存在。
POCで判断する
POCに対して価格がどう動いているかで、相場環境を判断している。
価格が長い間POCに張り付いているとき。
これは停滞だ。
売り手と買い手が拮抗していて、方向感がない。
こういう場面は、できるだけ触らないようにしている。
POCから価格が離れ始めたとき。
これはトレンドの始まりかもしれない。
出来高の多い価格帯から抜け出すということは、新しい方向に動き出したサインと捉えている。
逆に、一度離れたのにPOCに戻ってくるような動き。
これは弱気のサインだと見ている。
トレンドが続かず、また元の価格帯に引き戻されている。
こういう場面も、無理に触らない。
バリューエリアの意識
バリューエリア(VA)も意識している。
TPOで言うと、全体の70%の取引が行われた価格帯。
この範囲内にいるうちは、まだ「普通の状態」と言える。
VAの上限や下限を明確に抜けたとき。
これは強いトレンドとして意識する。
普段の取引範囲を超えて動いているということは、何か大きな力が働いている可能性がある。
ただ、VAを抜けたからといって、すぐにエントリーするわけではない。
あくまで「強いトレンドが出ている」という環境認識として使う。
エントリーのタイミングは、また別の判断だ。
出来高の薄い価格帯
価格帯別出来高を見ていると、出来高が薄い価格帯がある。
過去にあまり取引されていない価格帯。
ここに価格が入ると、値動きがしやすくなる。
抵抗になる出来高がないから、するすると動く。
こういう場面は、どちらに動くか注視する。
上に抜けるのか、下に落ちるのか。
出来高の薄いゾーンは、方向が決まると一気に動くことがある。
触らない相場を見極める
相場環境認識で一番大事なのは、「触らない相場」を見極めることだと思う。
POCに張り付いて方向感がない。
一度動いてもPOCに戻ってくる。
こういう場面で無理にエントリーしても、往復ビンタを食らうだけ。
「今は触らない」と判断できるようになると、無駄なトレードが減る。
無駄なトレードが減ると、資金が守られる。
資金が守られると、本当のチャンスが来たときに動ける。
相場環境認識は、エントリーのためだけではない。
「触らない」という判断のためにも使う。
毎日トレードする必要はない。
触るべき相場と、触らない相場がある。
それを見分けることが、相場環境認識の本質だと思う。

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