勝てる手法でも、負ける期間は来る。
それを理解してないと、連敗した瞬間に
- ルールを捨てる
- ロットを上げて取り返す
- 感情でエントリーする
…って流れで、口座が崩れる。
ドローダウンは避けられない。
でも、致命傷にはしないことはできる。
この記事でわかること
- ドローダウン/連敗が“普通”な理由
- 連敗が起きる確率のざっくり感覚
- 資金とメンタルを守る「縮小ルール」テンプレ
- 連敗期の検証ルーチン
ドローダウンって何?
ざっくり言うと、
資金がピークからどれだけ減ったか。
例:
- 100万円 → 120万円(ピーク)
- 120万円 → 108万円
このときドローダウンは 10%(12万減)だ。
ドローダウンは、手法の実力というより「波」。
波がある前提で、船を壊さない設計にする。
連敗は“確率の揺れ”で普通に起きる
勝率が40%の手法を想像してみて。
負ける確率は60%。
5連敗する確率は、ざっくり
0.6^5 ≒ 0.0778(約7.8%)
100回トレードしたら、7〜8回は「5連敗」する計算。
つまり、5連敗は“珍しい事故”じゃない。
普通に起きる。
ここを知らないと、連敗したときに「手法が壊れた」と勘違いして、全部崩す。
縮小ルール:ドローダウンを小さくする設計
大事なのは、感情じゃなくルールで縮小すること。
ぼくが好きなのは、3段階。
ステージ0:通常運転
- いつも通りのロット
- いつも通りのルール
ステージ1:軽い異常(連敗/ミスが続く)
条件例(どれか):
- 3連敗した
- 週で負けが続いた
- ルール違反が出た
対応:
- ロットを半分
- その日のトレード回数を減らす
- “得意な形だけ”に絞る
ステージ2:重い異常(ドローダウンが続く)
条件例(どれか):
- 5連敗した
- 月単位で崩れてる
- ルールを守っても負ける感じが続く
対応:
- いったん停止(新規トレードを止める)
- 日誌を見返して、原因を分類
- 検証(バックテスト/過去チャートで再確認)
止めるのは負け。
じゃない。
止められない方が負け。
連敗期は「原因」を分ける(ここがコア)
連敗には2種類ある。
A) ルール違反で負けた
- 逆指値を置かなかった
- エントリー根拠が薄い
- ポジサイズが適当
これは改善できる。
そして、改善すると一気に戻る。
損切りと資金管理の土台はここ。
→ 損切りルールの構築法|市場基準で決める実践的アプローチ
→ ポジションサイズの決定方法|資金管理で生き残るトレーダーになる
B) ルール通りなのに負けた(相場が合ってない)
これが厄介。
相場には、
- トレンドの日
- レンジの日
- ボラが死んでる日
- ボラが暴れてる日
がある。
同じ手法でも、相性のいい日と悪い日がある。
だからこそ、まず環境認識。
→ 相場環境認識|今がどんな相場かを判断する方法
日誌がないと、連敗期は迷子になる
連敗したとき、記憶は嘘をつく。
- 変なところで入った気がする
- 損切り遅れた気がする
- いつもより雑だった気がする
“気がする”で動くと終わる。
だから日誌。
→ トレード日誌のつけ方と活用法|振り返りで勝率を上げる実践テクニック
ドローダウンは、相場がくれる“寒い季節”だ。
冬に薄着で出ると凍える。
でも、冬が来る前にコートを用意しておけば、普通に歩ける。
縮小ルールは、そのコートだ。

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