水平線(サポレジ)だけで十分。
そう思ってた時期がぼくにもある。
でも、相場って“坂道”みたいに進むことがある。
そのとき、水平線だけだと距離感が取れない。
トレンドラインは、坂道に沿って相場を見るための定規だ。
この記事でわかること
- トレンドラインが効く相場・効かない相場
- ブレない引き方(主観を減らす型)
- チャネルの作り方と、実践での使い方
- よくあるダマシと回避の考え方
トレンドラインが効く条件
まず大前提。
トレンドがない相場で、トレンドラインを握りしめると死ぬ。
レンジで無理やり引いた斜め線は、ただの願望になる。
目安として、
- 高値/安値が切り上がる(または切り下がる)
- 押し目/戻りが“浅く”なっていく
- トレンドの強さ(ADXなど)がある程度ある
こういう「トレンドっぽさ」があるときだけ、斜め線が効く。
ADXの話はここ。
→ ADXの読み方|トレンドの強さを数値化する
引き方:主観を減らす“型”
1) まず上位足で引く(週足/日足)
下位足だけで引くと、ラインが増殖する。
まずは日足(できれば週足)で、大枠の傾きを取る。
複数時間軸の役割分担はここで整理してる。
→ 複数時間軸分析|長期・中期・短期の見方
2) 2点で“仮”、3点で“本物”
これが一番効く。
- 2点を結んだライン:仮説
- 3点目が反応したライン:強い
2点は誰でも引ける。
3点目で初めて「市場が意識してるかも」に変わる。
3) 引くのは“ヒゲの先”より“転換点”
転換点ってのは、
- そこから流れが変わった場所
- 押し目/戻りで止まった場所
こういう“節”。
ヒゲの先にこだわるより、流れが切り替わった点を優先する方が、ラインが安定する。
4) ラインは“調整する”もの(無理に合わせない)
トレンドラインは定規じゃなくて、現実に合わせて微調整する。
ただし注意。
ローソク足を貫きまくるラインは、ラインじゃない。
「どうしても当てたい」気持ちが混ざってる可能性が高い。
チャネルの作り方(平行線を引く)
チャネルは、トレンドラインの“幅”を取る道具。
- 上昇トレンド:安値同士でトレンドライン → 高値側に平行線
- 下降トレンド:高値同士でトレンドライン → 安値側に平行線
これで、
- 押し目の目安(チャネル下限)
- 利確の目安(チャネル上限)
- ブレイクのサイン(チャネルを抜ける)
が作れる。
実践での使い方テンプレ
① 押し目買い / 戻り売り(王道)
- トレンドライン(またはチャネル下限/上限)まで引きつける
- 反応(下ヒゲ、出来高増、短期足の切り返し)を待つ
- 損切りはラインの“外”(ライン上はダマシが多い)
「ラインに触れた瞬間に入る」より、反応してから入る方が安定する。
② ブレイク狙い(ダマシ回避込み)
トレンドラインのブレイクは強い。
ただし、ダマシも多い。
ぼくが見るのは、
- ブレイク時の出来高
- ブレイク後に戻ってきたとき、ラインが“抵抗/支持”に変わるか(リテスト)
この2つ。
ブレイクと逆張りの使い分けはここが刺さる。
→ ブレイクアウト vs 逆張り|価格帯別出来高で見極める局面別戦略
トレンドラインの弱点と、強くするコツ
弱点はシンプル。
主観が入りやすい。
だからこそ、強くするのは“重ねる”こと。
- 水平線(サポレジ)と重なる
- 価格帯別出来高の重いゾーンと重なる
- 移動平均線の傾きと一致する
1本のラインを信仰しない。
“合流”させて、確度を上げる。
相場の触っていい/触らないの判断は、まず環境認識。
→ 相場環境認識|今がどんな相場かを判断する方法
トレンドラインは、未来を当てる“線”じゃない。
今の流れに逆らってないかを確認する“手すり”だ。
手すりがあるだけで、足元が安定する。

コメント