サポート・レジスタンス(サポレジ)って、結局「どこに線を引くか」だと思われがち。
でも、ぼくは逆だと思ってる。
サポレジは“線”じゃない。市場の記憶が溜まった“帯”だ。
だから、線を引く作業は「当てる」じゃなくて、「ズレても崩れない帯を作る」作業になる。
この記事でわかること
- サポレジが効く理由(=正体)
- 水平線を引くときの“3ルール”
- サポレジをエントリー/損切り/利確に落とすテンプレ
- よくあるミスと、修正の仕方
サポレジの正体:注文が溜まる場所
サポレジが効くのは、チャートが魔法だからじゃない。
そこに、
- 前に買った人の「助かりたい」
- 前に売った人の「もう一回売りたい」
- 損切りの逆指値が溜まる
- ブレイク狙いの逆指値が溜まる
こういう注文の密度ができるからだ。
結果として、その価格帯は「反発」か「ブレイク」で反応しやすい。
つまり、サポレジは“反応が起きやすいゾーン”の目印になる。
水平線で勝つための3ルール
ルール1:上位足から引く(週足→日足→4時間)
サポレジは、時間が長いほど重い。
日足で引いたラインを、5分足のノイズで壊しにいくと事故る。
おすすめはこれ。
- 週足:大きな節目(本丸)
- 日足:売買判断の土台
- 4時間:タイミングの微調整
上位足で「帯」を作ってから、下位足で“切り取り”をする。
ルール2:ヒゲは“情報”、実体は“合意”
サポレジを引くとき、迷うのがヒゲ。
ぼくの解釈はこう。
- ヒゲ:一瞬の拒否(刺さったけど戻された)
- 実体(終値/始値):その時間足の合意(納得)
だから、基本は実体寄りに帯を置く。
ただしヒゲが何度も刺さるなら、その“刺さりゾーン”も帯に含める。
「ヒゲは無視」でも「ヒゲだけ」でもなく、ヒゲを“幅”に変換する感じ。
ルール3:一本の線じゃなく“ゾーン”で考える
サポレジを一本線でピン止めすると、現実がついてこない。
価格は、ちょっとズレる。
スプレッドもある。
板も薄いところは飛ぶ。
だからこそ、最初からこう考える。
- 反応が複数回ある“帯”
- 価格帯別出来高で「重い場所(POC付近)」がある“帯”
- キリ番(1000円/1500円/2000円)を含む“帯”
帯にしておけば、多少の誤差でメンタルが壊れない。
※価格帯別出来高の考え方は、この記事と相性がいい。
→ 出来高分析の基本|価格と出来高の関係
サポレジの使い方テンプレ
① ブレイク狙い(順張り)
狙うのは「抜けた瞬間」じゃなく、抜けて“定着”した瞬間。
- レジ上抜け
- 押し目(リテスト)でレジがサポに変わる
- 出来高が伴う
この3つが揃うと、ブレイクのダマシが減る。
ブレイクと逆張りの使い分けはここで整理してる。
→ ブレイクアウト vs 逆張り|価格帯別出来高で見極める局面別戦略
② 反発狙い(逆張り)
逆張りは「当てにいく」より「逃げ道を作る」。
- サポート帯に近づく
- 反発の兆し(下ヒゲ/出来高/板の厚み)
- 損切りは“帯の外”に置く
逆張りは相場環境次第。
レンジっぽい時だけやる、が基本。
相場が“動く日”か“止まる日”かは、環境認識で判断する。
→ 相場環境認識|今がどんな相場かを判断する方法
③ 利確の目安として使う
利確が苦手な人は多い。
サポレジは「ここで一回止まるかも」の候補になるから、
- 次のレジ帯手前で部分利確
- レジ帯をブレイクしたら残りを伸ばす
こういう“分割”に落としやすい。
チャートパターンの記事も、利確目標を作るのに使える。
→ チャートパターン完全ガイド|ダブルトップ・三尊・逆三尊の見分け方
よくあるミス
- ラインを引きすぎて、チャートが網目になる
→ 「重要なのは少数」だ。週足/日足の帯だけ残す。 - 下位足のノイズで上位足のサポレジを疑う
→ まず上位足の帯を信じる。 - “ピッタリ”にこだわる
→ 線ではなく帯。ズレを許す設計にする。
チェックリスト(これだけでOK)
- 上位足(週足/日足)から帯を作ったか
- 実体とヒゲを“幅”として扱っているか
- 反応が複数回あるか
- 価格帯別出来高(重い場所)と重なっているか
- エントリーより先に「損切りをどこに置くか」を決めたか
サポレジは、未来を当てる道具じゃない。
自分が迷わないための、地図だ。
地図があると、相場の波に飲まれにくくなる。

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