MENU

移動平均線の使い方|ゴールデンクロス・デッドクロスで勝つ方法

チャートに引いてあるあの線、なんだろう?

株やFXを始めたばかりの頃、私もそう思っていました。
証券会社のチャートを開くと最初から表示されていて、なんとなく眺めてはいたものの、正直よくわかっていなかった。

あの線が「移動平均線」です。
テクニカル分析の中では最も基本的なツールで、プロのトレーダーも当たり前のように使っています。
私自身、いろんなインジケーターを試してきましたが、結局のところ移動平均線に戻ってくることが多い。
シンプルだけど、それゆえに使い勝手がいいんですよね。

この記事では、移動平均線の基本から、ゴールデンクロス・デッドクロスの使い方、そして私が実際に使っているコツまで、できるだけ実践的にお伝えします。

目次

移動平均線って何?

移動平均線(Moving Average)は、過去の一定期間における価格の平均値を線で結んだものです。

たとえば「5日移動平均線」なら、過去5日間の終値を足して5で割った数値を、毎日プロットしていく。それを繋げると、なめらかな曲線ができあがります。

なぜこんなものを使うのか。価格って、日々けっこう激しく上下しますよね。
その細かいノイズを取り除いて、「結局、今は上がってるの?下がってるの?」という大きな流れ(トレンド)を見えやすくするのが移動平均線の役割です。

木を見て森を見ず、という状態を防いでくれる。
私はそんなふうに捉えています。

SMAEMAWMA…種類がいろいろあるけど

移動平均線には種類があります。単純移動平均線(SMA)、指数平滑移動平均線(EMA)、加重移動平均線(WMA。名前を聞いただけで難しそうですよね。

ざっくり言うと、SMAは全部の価格を均等に扱う一番シンプルなやつ。
EMAWMAは直近の価格を重視するので、値動きに敏感に反応します。

初心者の方は、まずSMAだけで十分です。
私も最初の数年はSMAしか使っていませんでした。
慣れてきてから「もう少し早くシグナルが欲しいな」と思ったらEMAを試してみる、くらいの感覚でいいと思います。

移動平均線の基本的な見方

移動平均線を見るとき、最も重要なのは「価格と移動平均線、どっちが上にあるか」です。

価格が移動平均線より上にあれば上昇トレンド、下にあれば下降トレンド。
移動平均線が横ばいならレンジ相場。
これだけ覚えておけば、まずはOKです。

あと、移動平均線の「傾き」も見てください。
急角度で上がっていれば強いトレンド、緩やかなら弱いトレンド。
傾きが平らになってきたら「そろそろトレンドが終わるかも」というサインになります。

移動平均線は「壁」になる

これ、最初は不思議に思いました。
ただの平均値を結んだ線が、なぜ価格の支持線や抵抗線として機能するのか。

答えはシンプルで、「みんなが見ているから」です。
多くのトレーダーが移動平均線を意識しているから、そこで売買が集中する。
だから実際に価格が反応する。
自己成就的な側面があるんですね。

上昇トレンド中に価格が下がってきて、移動平均線で跳ね返されて再上昇する。
これを「押し目買い」のポイントとして使うトレーダーは多いです。
私もよく使います。

逆に、下降トレンド中に価格が上がってきて、移動平均線で跳ね返されて再下落する。
これは「戻り売り」のポイント。
ただ、こっちは逆張りになるので、私はあまり得意じゃないですが。

ゴールデンクロスとデッドクロス

移動平均線の話をすると、必ず出てくるのがこの2つ。名前がかっこいいですよね。

ゴールデンクロス

短期の移動平均線が、長期の移動平均線を下から上に突き抜ける現象。
これが出たら「買いサイン」とされています。

よく使われる組み合わせは、5日線と25日線、25日線と75日線、50日線と200日線あたり。
短期線が長期線を上抜けるということは、短期的な勢いが長期的な流れを上回ってきた、つまりトレンド転換の兆しというわけです。

ただ、正直に言うと、ゴールデンクロスだけで売買するのはおすすめしません。
私も昔、「ゴールデンクロスが出た!買いだ!」と飛びついて、その後ズルズル下がって損切りになったことが何度もあります。

問題は、ゴールデンクロスが出るタイミングって、けっこう遅いんですよ。
上昇がある程度進んでから「やっとクロスした」となることが多い。
それに、レンジ相場ではダマシが頻発します。
クロスしたと思ったらすぐ戻る、また クロスする、また戻る

だから私は今、ゴールデンクロス単体ではエントリーしません。
出来高が増えているか、他の指標はどうか、上位足のトレンドはどうか、複数の条件が揃ったときだけ入るようにしています。

デッドクロス

ゴールデンクロスの逆で、短期線が長期線を上から下に突き抜ける現象。
売りサインです。
考え方はゴールデンクロスと同じなので、詳しい説明は省きます。
私は買いポジションを持っているときの「撤退サイン」として使うことが多いですね。
新規で空売りを仕掛けるのは、デッドクロスだけだと怖いのであまりやりません。

期間設定の選び方

移動平均線は「何日分の平均を取るか」で性格がガラッと変わります。
5日と200日では、まったく別物です。

短い期間(5日、10日、20日あたり)は価格に敏感に反応するので、短期売買向き。
ただしダマシも多い。
長い期間(100日、200日)は動きが安定していて大きなトレンドを捉えやすいけど、反応が遅い。

私がよく使うのは20日、50日、200日の組み合わせです。
20日で短期の流れ、50日で中期の流れ、200日で長期の流れを見る。
200日線は機関投資家も重視していると言われていて、ここで反応することが多い印象があります。

あと、日足だけじゃなくて週足や月足でも移動平均線を見てみてください。
日足では下降トレンドに見えても、週足では上昇トレンドの押し目だった、なんてことはよくあります。

グランビルの法則

1960年代にアメリカの投資家ジョセフ・グランビルが提唱した、移動平均線を使った売買タイミングの判断法です。
買いサイン4つ、売りサイン4つの計8パターンがあるとされています。

正直、8つ全部を覚えて使いこなすのは大変です。
私も最初は「こんなに覚えられない」と思いました。
なので、ここでは実際に使いやすいものを中心に、私なりの解釈を交えて説明します。

実践で使いやすいパターン

トレンド転換の初動を捉える

移動平均線が下降から横ばい、そして上昇に転じ始めたところで価格が上抜ける。
これが一番オーソドックスな買いパターンです。
下降トレンドが終わって上昇トレンドに切り替わる瞬間を捉える、という考え方ですね。

売りはその逆で、移動平均線が上昇から横ばい、下降に転じ始めたところで価格が下抜ける。
私は利益確定のタイミングとしてよく使います。

押し目買い・戻り売り

上昇トレンド中に価格が一時的に移動平均線まで下がってきて、そこから反発する。
これが「押し目買い」のポイント。
グランビルの法則では、移動平均線を一瞬割り込んでから反発するパターンと、割り込まずに反発するパターンの2つがありますが、私はあまり区別していません。
どちらも「移動平均線付近で反発したら買い」というシンプルな理解でやっています。

戻り売りはその逆ですが、こっちは逆張り的な要素が強いので、私はあまり得意じゃないです。

個人的にあまり使わないパターン

グランビルの法則には「価格が移動平均線から大きく乖離したときの逆張り」というパターンもあります。
上昇トレンド中に価格が移動平均線から離れすぎたら売り、下降トレンド中に離れすぎたら買い、という考え方。

理屈はわかるんですが、「どこまで離れたら離れすぎなのか」の判断が難しい。
私は何度かやって失敗したので、今はほとんど使っていません。
どうしても逆張りしたいときは、RSIやボリンジャーバンドなど、乖離を数値化できる指標と組み合わせるようにしています。

補足

グランビル自身は200日移動平均線をメインに使っていたとされています。
ネット上では「13日・26日」という数字を見かけることもありますが、これはMACDの設定値と混同している可能性があります。

移動平均線を使うときのコツ

出来高を見る

何度も言いますが、出来高は本当に大事です。
ゴールデンクロスが出ても出来高が増えていなければ信頼度は低い。
移動平均線で反発しても出来高が伴っていなければダマシの可能性がある。
移動平均線と出来高はセットで見る癖をつけてください。

レンジ相場では使わない

移動平均線はトレンド相場で威力を発揮するツールです。
レンジ相場、つまり価格が横ばいでウロウロしている状態では、ダマシだらけになります。

「移動平均線が横ばいになってきたな」と思ったら、いったん様子見。
レンジ相場ではボリンジャーバンドやRSIのほうが使いやすいです。

完璧を求めない

移動平均線は万能じゃありません。
ゴールデンクロスで買っても下がることはあるし、デッドクロスで売っても上がることはある。
私も未だにダマシに引っかかります。
大事なのは、外れたときにちゃんと損切りできるかどうか。
インジケーターに頼りすぎず、リスク管理を徹底することのほうがずっと重要です。

まとめ

長くなりましたが、移動平均線の基本はこんなところです。

シンプルなツールですが、だからこそ奥が深い。
私は10年使い続けていますが、未だに新しい発見があります。

最初は1本の移動平均線から始めてみてください。
20日線か25日線あたりがおすすめです。
価格との位置関係、傾き、サポート・レジスタンスとしての機能。
まずはそこを意識するだけで、チャートの見え方が変わってくると思います。

ゴールデンクロスやデッドクロス、グランビルの法則は、その後でゆっくり覚えていけばいい。
焦る必要はありません。

相場に「絶対」はないですが、移動平均線は長い間、多くのトレーダーに使われ続けてきた実績があります。
地味だけど頼りになる、そんなツールだと私は思っています。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

投資歴10年。様々なインジケーターや分析サイトを駆使し市場と向き合ってきた

コメント

コメントする

CAPTCHA


目次