チャートに並んでいる、あの棒みたいなやつ。
私がトレードを始めた頃、正直よくわかっていませんでした。
赤と青の棒が並んでいて、なんとなく赤が多いと上がってる、青が多いと下がってる、くらいの認識。
でも、ちゃんと勉強してみたら、あの1本1本にものすごい情報が詰まっていることがわかったんです。
ローソク足は江戸時代の日本で生まれました。
米相場の分析に使われていたものが、今では世界中のトレーダーに愛用されています。
「Candlestick」として海外でも普通に使われているのを知ったときは、なんだか誇らしい気持ちになりましたね。
この記事では、ローソク足の基本から実践的な使い方まで、私なりの解釈も交えながら解説していきます。
ローソク足の構造
ローソク足は、一定期間の値動きを1本の図形で表したものです。
日足なら1日分、1時間足なら1時間分の値動きが、たった1本に凝縮されています。
1本のローソク足には、始値（その期間の最初の価格）、終値（最後の価格）、高値（最も高かった価格）、安値（最も安かった価格）という4つの情報が入っています。
これを覚えておけば、あとは形を見るだけで何が起きたかわかるようになります。
実体とヒゲ
ローソク足は「実体」と「ヒゲ」で構成されています。
実体は始値と終値に挟まれた太い部分。ヒゲは実体から上下に伸びる細い線です。
私がローソク足で一番注目するのは、実はヒゲの長さなんです。
長い上ヒゲは「一度上がったけど売り圧力で押し戻された」証拠。
長い下ヒゲは「一度下がったけど買い支えられた」証拠。
ヒゲを見ると、その日どんな攻防があったのかが見えてくる。
陽線と陰線
終値が始値より高ければ陽線（上昇）、低ければ陰線（下落）。
一般的に陽線は赤や白、陰線は青や黒で表示されます。
ちなみに、証券会社によって色の設定が違うので、最初は混乱するかもしれません。
私も昔、別の証券会社のチャートを見て「あれ、色が逆じゃない？」と戸惑った記憶があります。
自分が使うツールの設定を確認しておくといいですよ。
覚えておきたいローソク足の形
ローソク足には名前がついているパターンがたくさんあります。
全部覚える必要はないですが、いくつか知っておくと便利です。
大陽線：一番わかりやすい買いサイン
実体が長くて、ヒゲが短い陽線。これが出たら「今日は買いが強かった」ということ。
特に底値圏で大陽線が出ると、私はけっこう注目します。
「ここから流れが変わるかも」というサインになることが多い。
ただ、上昇が続いた後の大陽線は要注意。「最後の買い」になっていることもあるので。
大陰線
大陽線の逆です。
実体が長い陰線で、売りが強かったことを示します。
天井圏で出ると警戒サイン。
考え方は大陽線と同じなので、そちらを理解していれば大丈夫です。
ヒゲが長いローソク足
私が実践で一番よく見るのは、ヒゲの長さです。
下ヒゲが長いローソク足（カラカサとか呼ばれます）は、「一度下がったけど買い支えられた」という意味。
底値圏で出ると反発のサインになりやすい。
上ヒゲが長いローソク足（トンカチ）は逆に「上値が重い」サイン。
天井圏で出ると警戒です。
正直、「カラカサ」とか「トンカチ」とか、名前を覚える必要はないと思っています。
「下ヒゲ長い＝下で買われた」「上ヒゲ長い＝上で売られた」、これだけ覚えておけば十分。
十字線：相場が迷っているサイン
始値と終値がほぼ同じで、実体がほとんどないローソク足。
買いと売りが拮抗して、どちらにも決着がつかなかった状態です。
トレンドが続いた後に十字線が出ると、「そろそろ転換するかも」という警戒サインになります。
ただ、十字線だけで判断するのは危険。
次のローソク足がどっちに動くかを見てから判断するようにしています。
複数本の組み合わせパターン
ローソク足は1本だけでなく、2本、3本の組み合わせで見ると精度が上がります。
有名なパターンをいくつか紹介しますが、全部覚えなくても大丈夫です。
包み線
前日のローソク足を、当日のローソク足がすっぽり包み込むパターン。
これは私がけっこう信頼しているパターンです。
下降トレンドの底で、前日の陰線を大きな陽線が包み込む。
これが出ると「流れが変わった」と判断して、買いを検討します。
逆に、上昇トレンドの天井で陰線が陽線を包み込んだら売りサイン。
ただ、包み線が出たからといって必ず反転するわけではありません。
私も「包み線出た！買いだ！」と飛びついて、そのまま下がり続けたことがあります。
出来高が増えているか、上位足のトレンドはどうか、複数の条件を確認するようにしています。
はらみ線
包み線の逆で、前日のローソク足の中に当日のローソク足がすっぽり収まるパターン。
大きな動きの後に小さなローソク足が出て、「様子見」の状態。
トレンドの勢いが弱まっているサインですが、次にどっちに動くかはわからないので、私はあまり積極的には使いません。
明けの明星·宵の明星
3本のローソク足で構成されるパターンで、酒田五法の中でも有名なやつです。
明けの明星は、大陰線→小さいローソク足→大陽線という流れ。
底値圏で出ると「夜明け」のように上昇トレンドが始まるサイン。
宵の明星はその逆で、天井圏で出ると下落のサイン。
見た目がわかりやすいので、初心者の頃から好きなパターンでした。
ただ、教科書通りのきれいな形はなかなか出ないんですよね。
「これ、明けの明星っぽいけど、2本目がちょっと大きいな…」みたいなことが多い。
多少形が崩れていても機能することはあるので、あまり完璧を求めすぎないほうがいいと思います。
赤三兵と三羽烏
陽線が3本連続で出るのが赤三兵、陰線が3本連続で出るのが三羽烏。
トレンドが続くサインです。
底値圏で赤三兵が出たら上昇トレンドの始まり、天井圏で三羽烏が出たら下降トレンドの始まり。
出来高が増えていれば信頼度アップ。
窓（ギャップ）
前日の終値と当日の始値が離れて、チャート上に空白ができる現象。
「窓が開く」と言います。
「開いた窓は埋められる」という経験則がありますが、正直、必ずしもそうはなりません。
埋められないこともけっこうある。
私は窓埋めを狙ったトレードで何度か失敗しているので、今はあまり重視していません。
窓が開いたこと自体は「勢いがある」サインとして参考にする程度です。
実践で使うときの注意点
1本だけで判断しない
これ、本当に大事です。大陽線が出たからといって、それだけで「買い！」と判断するのは危険。
その前にどんな流れがあったのか、今は天井圏なのか底値圏なのか、文脈の中で見ることが重要です。
出来高を見る
ローソク足のパターンが出ても、出来高が伴っていなければ信頼度は低いです。
大陽線で出来高急増なら本物の可能性が高い。
出来高がスカスカなら「ダマシかも」と疑ってかかる。
他の指標と組み合わせる
ローソク足だけで完璧な判断はできません。
移動平均線、RSI、MACDなど、他のテクニカル指標と組み合わせることで精度が上がります。
私の場合、まずローソク足の形を見て「お、これは注目かも」と思ったら、移動平均線との位置関係を確認する、という流れでやっています。
まとめ
ローソク足は、江戸時代から使われてきた日本発の分析手法です。
シンプルなのに奥が深い。
最初から全部のパターンを覚える必要はありません。
まずは「陽線と陰線の違い」「ヒゲの意味」あたりから始めて、慣れてきたら包み線や明けの明星などのパターンを少しずつ覚えていけばいい。
私も10年やっていますが、未だに「この形、どう解釈すればいいんだろう」と迷うことはあります。
完璧に読み切れることなんてないんですよ、相場って。
だからこそ、ローソク足だけに頼らず、複数の根拠を重ねることが大事。
毎日チャートを見ていると、自然とパターンが目に入ってくるようになります。
焦らず、コツコツやっていきましょう。
コメント