あれ、このチャートの形、前にも見たことあるな…
株やFXでトレードを続けていると、こんな経験をした方も多いのではないでしょうか。
価格が同じような形で反転したり、一定のパターンで動いたり。
実はこれ、偶然ではないんです。
私自身、トレードを始めた頃は「なんとなく」でエントリーしては負けを繰り返していました。
でも、チャートパターンを意識するようになってから、少しずつ勝率が安定してきたんですよね。
もちろん、パターンを知っているだけで勝てるほど相場は甘くありませんが、「どこで仕掛けるか」「どこで逃げるか」の判断基準ができたのは大きかったです。
この記事では、私が実際に使っているチャートパターンを、初心者の方にもわかりやすく解説していきます。
この記事でわかること
- 主要なチャートパターン10種類の特徴と見分け方
- 反転パターンと継続パターンの違い
- 実際のトレードでの活用方法と注意点
チャートパターンとは?なぜ繰り返されるのか
チャートパターンとは、価格の動きが作り出す「形」のことを指します。
では、なぜ同じパターンが何度も出現するのでしょうか。
答えはシンプルで、相場を動かしているのが「人間」だからです。
高値で買ってしまった人は「早く逃げたい」と焦り、底値で売ってしまった人は「もう少し待てばよかった」と後悔する。
こうした投資家心理が積み重なって、チャート上に特定のパターンとして現れるわけです。
チャートパターンを理解するメリットは主に3つあります。
1つ目は、エントリータイミングが明確になること。
パターンが完成してブレイクアウトしたタイミングで仕掛ければ、「なんとなく」のエントリーから脱却できます。
2つ目は、損切りラインが決めやすくなること。
パターンが崩れた=予想が外れたサインなので、機械的に損切りできます。
3つ目は、利益目標を立てやすくなること。
多くのパターンには「値幅測定」の考え方があり、どのくらい価格が動くか予測しやすくなります。
それでは、具体的なパターンを見ていきましょう。
反転パターン:トレンド転換を示すサイン
チャートパターンには大きく分けて2種類あります。
トレンド転換を示す「反転パターン」と、トレンドの継続を示す「継続パターン」です。
まずは反転パターンから説明します。
ダブルトップ(天井圏の反転サイン)
個人的に、最も実践で使いやすいと感じているのがダブルトップです。
上昇トレンドの終盤で出現する代表的な天井サインで、チャートに2つの山ができて「M字型」になるのが特徴。
2つの山の高さはほぼ同じ水準で、その間にできる谷の価格ラインを「ネックライン」と呼びます。
ここで重要なのは、2つ目の山をつけた段階ではまだパターンは「完成していない」ということ。
価格がネックラインを下抜けて初めて「ダブルトップ成立」となります。
私も昔、2つ目の山を見た瞬間に「よし、天井だ!」と早まって売りを入れ、そのまま上抜けされて損切りになったことが何度もあります。
焦りは禁物ですね。
トレードでは、買いポジションを持っている場合はネックライン割れで損切り。
新規売りはネックライン割れを確認してからが無難です。
損切りは2つ目の山の高値、利益目標はネックラインから山までの高さ分を下に測定します。
あと、ネックラインを少し割っただけですぐ戻る「ダマシ」には本当に気をつけてください。
出来高が増えているかどうかを確認するだけで、かなり精度が上がります。
ダブルボトム(底値圏の反転サイン)
ダブルボトムはダブルトップの逆バージョンです。
下降トレンドの終盤で「W字型」を作り、ネックラインを上抜けたら完成。
考え方はダブルトップと同じなので、そちらを理解していればすぐに応用できると思います。
「これ以上下がらない」というサポートラインの確認にもなるので、底打ち狙いの買いエントリーに使いやすいパターンです。
三尊(ヘッドアンドショルダー)
「最強の天井サイン」なんて呼ばれることもある三尊。
英語では「ヘッドアンドショルダー」、つまり「頭と肩」の形をしています。
3つの山ができて、真ん中が一番高い。
左右の山が「肩」、真ん中が「頭」というわけです。
なぜ「最強」と言われるのか。
ダブルトップは2回高値を試して失敗、三尊は3回試して失敗。
つまり「もう上がる力が完全に尽きた」という意味合いが強いんですね。
だから市場参加者に強く意識される。
ただ、教科書通りのきれいな三尊ってなかなか出ないんですよ。
左肩と右肩の高さが微妙に違ったり、ネックラインが斜めになっていたり。
それでも機能することは多いので、あまり完璧を求めすぎないほうがいいと思います。
トレードの仕方はダブルトップと同じ考え方。
ネックライン割れでエントリー、頭からネックラインまでの値幅を利益目標にします。
出来高は左肩→頭→右肩と減少していくのが理想的で、買いの勢いが弱まっている証拠になります。
逆三尊(逆ヘッドアンドショルダー)
三尊を逆さまにしたパターンで、底値圏で出現します。
3つの谷ができて真ん中が一番深い。
ネックラインを上抜けたら買いサインです。
「3回安値を試しても下がらなかった」という底固めの証拠なので、その後の上昇期待が高いパターンとされています。
正直、三尊を理解していればこちらも問題なく使えると思います。
継続·保ち合いパターン:トレンドが続くサイン
反転パターンがトレンドの終わりを示すのに対し、継続・保ち合いパターンはトレンドの途中で出現します。
「継続パターン」は元のトレンド方向に戻る可能性が高いもの。
「保ち合いパターン」は上にも下にも抜ける可能性があるもの。
この違いを意識しておくと、トレードの組み立てがしやすくなります。
カップアンドハンドル
名前の通り、コーヒーカップのような形をしています。
丸い底(カップ)を作った後、小さな調整(ハンドル)が入り、そこを上抜けると強い上昇が期待できるというパターン。
カップは「U字型」の緩やかな底が理想的で、V字型だと信頼性が落ちます。
なぜかというと、U字型のほうが時間をかけて売り圧力を吸収しているから。
ハンドル部分で最後の売りを消化して、ブレイク後は一気に上がりやすい。
私はこのパターン、けっこう好きなんですよね。形がわかりやすいので。
フラッグとペナント
この2つは似ているので、まとめて説明します。
どちらも強いトレンドの途中で出現する短期的な調整パターンです。
フラッグは「旗」の形。
急上昇の後、斜め下向きの平行チャネルで調整が入ります。
ペナントは「三角旗」の形。
同じく急上昇の後、高値と安値が収束していく三角形を作ります。
違いは調整部分の形だけ。
フラッグは平行、ペナントは収束。
どちらも2週間以内に形成されることが多く、長引くと信頼性が落ちます。
利益目標は、どちらもパターン形成前の急上昇(「旗竿」と呼びます)の長さ分を、ブレイクポイントから測定します。
ウェッジ
正直に言うと、ウェッジは私が最も苦手なパターンです。
継続にも反転にもなるし、上昇ウェッジと下降ウェッジで意味が違うし、ちょっとややこしい。
ざっくり言うと、上昇ウェッジ(高値も安値も切り上げるけど収束していく形)は下落に転じやすい。
下降ウェッジ(高値も安値も切り下げるけど収束していく形)は上昇に転じやすい。
くさび形で「逆方向に抜けやすい」と覚えておけばいいと思います。
ただ、トレンドのどの位置で出現するかで意味が変わるので、慣れるまでは他のパターンを優先したほうがいいかもしれません。
トライアングル
三角形の保ち合いパターンで、3種類あります。
上昇三角形は上値が水平で安値が切り上がる形。
買い圧力が強まっているサインで、上抜けしやすい。
下降三角形は下値が水平で高値が切り下がる形。
売り圧力が強まっているサインで、下抜けしやすい。
シンメトリカル(対称)三角形は高値も安値も収束していく形で、どちらに抜けるかはブレイクを待たないとわかりません。
利益目標は三角形の一番広い部分(底辺)の高さを使います。
わりと使いやすいパターンなので、初心者にもおすすめです。
レクタングル
いわゆる「ボックス相場」「もみ合い」です。
上限と下限がはっきりしていて、価格がその間を行ったり来たりする状態。
トレード方法は2つあります。
1つは「レンジ内での逆張り」
下限で買って上限で売る。
ただしブレイクアウトで大損するリスクがあるので、損切りは必須。
もう1つは「ブレイクアウト待ち」
上限か下限を明確に抜けた方向についていく。
個人的には後者のほうが精神的に楽です。
ちなみに、レクタングルは長く続くほどブレイク時の動きが大きくなる傾向があります。
出来高が減ってきたら「そろそろ動くかも」と身構えておくといいでしょう。
チャートパターンを実践で使う3つのコツ
パターンを覚えただけでは勝てません。
ここからが本当に大事なところです。
出来高を見る習慣をつける
何度も書いていますが、出来高は本当に大事です。
ブレイクアウト時に出来高が増えていれば信頼度アップ、増えていなければダマシの可能性あり。
三尊やダブルトップでは、パターン後半で出来高が減少し、ブレイク時に急増するのが理想的な流れです。
日足だけで判断しない
これ、初心者のころの私がよくやっていた失敗なんですが、日足だけ見てトレードすると痛い目を見ます。
週足や月足も確認して、大きなトレンドの中での位置を把握することが大切。
日足でダブルトップに見えても、週足では上昇トレンドの途中の調整に過ぎないこともあります。
他の指標と組み合わせる
RSI、MACD、移動平均線など、お好みのテクニカル指標と組み合わせると精度が上がります。
例えば三尊完成時にRSIが70超えなら、下落の確度がさらに高まる。
パターン単体で判断するより、複数の根拠を重ねたほうが安心してトレードできます。
チャートパターン分析におすすめのツール
TradingViewは世界中のトレーダーが使っているチャートツールで、チャートパターンを自動検出してくれる機能もあります。
まとめ
長くなりましたが、ここまで読んでいただきありがとうございます。
今回紹介した10種類のパターン、全部覚える必要はありません。
まずはダブルトップとダブルボトム、三尊と逆三尊あたりから始めて、徐々にレパートリーを増やしていけばいいと思います。
正直な話、パターン通りにいかないことのほうが多いです。
相場ってそういうものです。
だからこそ、出来高を確認する、複数の時間軸で見る、他の指標と組み合わせる、といった工夫が必要になる。
そして何より大事なのは、損切りを徹底すること。
どんなに完璧に見えるパターンでも、外れるときは外れます。
資金管理ができていないと、どれだけパターンを勉強しても意味がありません。
少額から始めて、実際のチャートで検証しながら、自分なりの感覚を掴んでいってください。

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