移動平均線って、チャートに引いてある線のこと?
何の意味があるんだろう
株やFXを始めたばかりのあなたは、そう思ったことがあるかもしれません。
その「線」こそが、移動平均線。
テクニカル分析の中で最も基本的でありながら、プロのトレーダーも必ず使っている最も強力なツールです。
移動平均線を理解することで、今がトレンドの途中なのか、それとも転換点なのか──
相場の「流れ」が一目でわかるようになります。
この記事では、移動平均線の基本から、ゴールデンクロス・デッドクロスといった実践的な使い方まで、
初心者にもわかりやすく徹底解説します。
【この記事でわかること】
・移動平均線とは何か、どう計算されているのか
・ゴールデンクロス・デッドクロスの見分け方と使い方
・期間設定の選び方と、複数本を組み合わせるコツ
・実際のトレードで使える具体的な売買タイミング
移動平均線とは?基本を理解しよう

移動平均線(Moving Average)は、過去の一定期間における価格の平均値を線で結んだものです。
たとえば「5日移動平均線」なら、過去5日間の終値の平均を計算し、それを毎日プロットしていくことで、なめらかな曲線が描かれます。
なぜ移動平均線を使うのか?
価格は日々上下に変動しますが、その細かいノイズを取り除いて「大きな流れ(トレンド)」を視覚化するのが移動平均線の役割です。
木を見て森を見ず──という状態を防ぎ、相場全体の方向性を掴むことができます。
移動平均線の種類
移動平均線には主に3つの種類があります。
- 単純移動平均線(SMA) – 最もシンプルで、全ての価格を均等に扱う
- 指数平滑移動平均線(EMA) – 直近の価格により大きな重みをつける
- 加重移動平均線(WMA) – 直近ほど重みが増す
初心者の方は、まずシンプルなSMAから始めるのがおすすめです。
慣れてきたら、より敏感に反応するEMAも併用すると、エントリーのタイミングが掴みやすくなります。
移動平均線の基本的な見方
価格と移動平均線の位置関係
移動平均線を見るとき、最も重要なのは「価格と移動平均線のどちらが上にあるか」です。
- 価格が移動平均線の上 → 上昇トレンド
- 価格が移動平均線の下 → 下降トレンド
- 移動平均線が横ばい → レンジ相場(トレンドなし)
また、移動平均線の「傾き」も重要です。
移動平均線が急な角度で上昇していれば、それだけ強いトレンドが形成されているということ。
逆に、緩やかな傾きなら、トレンドの勢いは弱いと判断できます。
移動平均線がサポート・レジスタンスになる
移動平均線は、単なる「線」ではありません。
多くのトレーダーが意識するポイントとして、価格の支持線(サポート)や抵抗線(レジスタンス)として機能します。
上昇トレンドの場合 価格が一時的に下落しても、移動平均線で反発して再び上昇することがよくあります。
この場合、移動平均線が「下値サポート」として機能しています。
下降トレンドの場合 価格が一時的に上昇しても、移動平均線で跳ね返されて再び下落することがあります。
この場合、移動平均線が「上値レジスタンス」として機能しています。
このように、移動平均線は相場の「壁」になることを覚えておきましょう。
ゴールデンクロスとデッドクロス

ゴールデンクロス(買いシグナル)
ゴールデンクロスとは、短期移動平均線が長期移動平均線を下から上に抜ける現象のことです。
典型的な組み合わせ
- 5日線 × 25日線
- 25日線 × 75日線
- 50日線 × 200日線
短期の移動平均線が長期の移動平均線を上抜けるということは、短期的な価格の勢いが強まっている証拠。
つまり「トレンドが上向きに転換した可能性が高い」ため、買いのシグナルとされます。
ゴールデンクロスを使うときの注意点
ゴールデンクロスは有名なシグナルですが、万能ではありません。
レンジ相場では「ダマシ」が発生しやすく、ゴールデンクロス後にすぐ下落することもあります。
そのため、ゴールデンクロスが出たときは、必ず出来高も確認しましょう。
出来高が増加している場合、そのシグナルはより信頼性が高いと言えます。
デッドクロス(売りシグナル)
デッドクロスとは、短期移動平均線が長期移動平均線を上から下に抜ける現象です。
ゴールデンクロスとは逆に、短期的な価格の勢いが弱まっていることを示しており、 「トレンドが下向きに転換した可能性が高い」ため、売りのシグナルとされます。
デッドクロスの活用法
デッドクロスは、買いポジションを持っている場合の「損切りライン」の目安としても使えます。
また、下降トレンドの初動を掴めば、空売りのチャンスにもなります。
ただし、ゴールデンクロスと同様に、レンジ相場ではダマシが多いので注意が必要です。
移動平均線の期間設定の選び方
移動平均線は「何日分の平均を取るか」によって、まったく異なる動きをします。
自分のトレードスタイルに合った期間を選ぶことが重要です。
短期(5日、10日、20日) デイトレードやスキャルピングなど、短期売買に向いています。
価格の変動に敏感に反応するため、エントリーとエグジットのタイミングを細かく掴めます。
ただし、ダマシも多くなるので注意が必要です。
中期(25日、50日、75日) スイングトレードに最適です。
日々のノイズに惑わされず、中期的なトレンドを捉えることができます。
多くのトレーダーが注目するため、サポート・レジスタンスとしても機能しやすいです。
長期(100日、200日) 長期投資やポジショントレードに向いています。
相場の大きな流れを把握するのに役立ちます。
特に200日移動平均線は、機関投資家も重視する重要なラインです。
よく使われる組み合わせ
- 5日・25日・75日 – デイトレード〜スイングトレード向き
- 20日・50日・200日 – 中期〜長期投資向き
- 13日・26日 – グランビルの法則で使われる伝統的な組み合わせ
期間が短いほど価格に敏感に反応し、長いほど安定した動きになります。
複数の移動平均線を組み合わせることで、短期・中期・長期のトレンドを同時に把握できます。
グランビルの法則|移動平均線を使った8つの売買ポイント
グランビルの法則とは、移動平均線と価格の位置関係から、売買のタイミングを判断する手法です。
1960年代にアメリカの投資家ジョセフ・グランビルが提唱し、今でも多くのトレーダーが使っています。
この法則では、買いサイン4つと売りサイン4つの計8つのパターンがあります。
買いサイン4つ
買いサイン① 移動平均線が下降から横ばい・上昇に転じ、価格が上抜け
下降トレンドが終わり、上昇トレンドに転換する初動を捉えるサインです。
移動平均線が横ばいになり始めた段階で、価格が上抜けたら買いのチャンス。
買いサイン② 移動平均線が上昇中、価格が一時的に下回るが再び上昇
上昇トレンドの途中で、価格が一時的に移動平均線を割り込むことがあります。
これは「押し目」のサインで、トレンドが継続する可能性が高い絶好の買い場です。
買いサイン③ 移動平均線が上昇中、価格が下落するが移動平均線に届かず反発
価格が移動平均線に近づくものの、タッチせずに反発する場合も買いサインです。
トレンドが非常に強いことを示しています。
買いサイン④ 移動平均線が下降中、価格が大きく乖離して下落
下降トレンド中に価格が移動平均線から大きく離れすぎた場合、短期的なリバウンド(反発)を狙えます。
ただし、トレンドに逆らう取引なので、短期勝負が基本です。
売りサイン4つ
売りサイン① 移動平均線が上昇から横ばい・下降に転じ、価格が下抜け
上昇トレンドが終わり、下降トレンドに転換する初動を捉えるサインです。
利益確定や損切りのタイミングとして使えます。
売りサイン② 移動平均線が下降中、価格が一時的に上回るが再び下落
下降トレンドの途中で、価格が一時的に移動平均線を上抜けることがあります。
これは「戻り売り」のチャンスで、トレンド継続の可能性が高いポイントです。
売りサイン③ 移動平均線が下降中、価格が上昇するが移動平均線に届かず反落
価格が移動平均線に近づくものの、タッチせずに反落する場合も売りサインです。
下降トレンドが非常に強いことを示しています。
売りサイン④ 移動平均線が上昇中、価格が大きく乖離して上昇
上昇トレンド中に価格が移動平均線から大きく離れすぎた場合、天井が近い可能性があります。
利益確定のタイミングとして使えます。
移動平均線を使う3つのコツ
複数の時間軸で確認する
日足だけを見ていると、短期的なノイズに惑わされることがあります。
週足や月足も併せて確認することで、大きなトレンドの中での位置を把握できます。
たとえば、日足では下降トレンドに見えても、週足では上昇トレンドの押し目ということもあります。
出来高と組み合わせる
移動平均線のシグナルは、出来高と組み合わせることで信頼性が高まります。
ゴールデンクロスが発生したとき、同時に出来高が増加していれば、そのシグナルはより強力です。
逆に、出来高が伴わないシグナルは「ダマシ」の可能性が高いので注意しましょう。
他のインジケーターと併用する
移動平均線は万能ではありません。 RSI(相対力指数)やMACD(移動平均収束拡散法)など、他のインジケーターと組み合わせることで、 より精度の高い分析ができます。
たとえば、ゴールデンクロスが発生し、かつRSIが50以上であれば、 上昇トレンドの初動である可能性がさらに高まります。
注意点:レンジ相場では効果が薄い
移動平均線は、トレンド相場で最も効果を発揮します。
逆に、レンジ相場(横ばいの相場)ではダマシが多発するため、注意が必要です。
レンジ相場では、移動平均線よりもボリンジャーバンドやRSIの方が有効な場合もあります。
まとめ:移動平均線でトレンドを掴もう
移動平均線は、テクニカル分析の基本中の基本ですが、その分、多くのトレーダーが注目しているため、非常に実用的なツールです。
この記事のポイントをおさらい
・移動平均線は価格の平均値を結んだ線で、トレンドを視覚化する
・ゴールデンクロスは買いサイン、デッドクロスは売りサイン
・グランビルの法則で8つの売買ポイントを掴める
移動平均線は、単体でも十分強力ですが、出来高や他のインジケーターと組み合わせることで、 さらに精度の高いトレードが可能になります。
まずは1本の移動平均線から始めて、慣れてきたら複数本を組み合わせてみましょう。
相場の流れを掴み、自信を持ってエントリーできるようになるはずです。

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