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出来高フットプリント入門|価格帯ごとの需給バランスを読む方法

出来高は、多くのトレーダーが重視する指標です。

しかし、通常のチャートに表示される出来高バーには、ある限界があります。

それは、「どの価格で取引されたか」がわからないこと。

1日の出来高が100万株だったとして:

・どの価格帯で最も取引が集中したのか
・買いが多かったのか、売りが多かったのか
・大口はどこで動いたのか

これらは、通常の出来高バーでは見えません。

出来高フットプリントは、この「見えない部分」を可視化する分析手法です。

各価格帯で、どれだけの買いと売りが入ったのか。

この情報が見えるようになると、市場の「需給バランス」が手に取るようにわかるようになります。

本記事では、出来高フットプリントの基本概念と読み方を解説します。

【この記事でわかること】
・通常の出来高とフットプリントの違い
・ビッド・アスク、デルタの意味
・フットプリントから読み取れる需給の偏り
・TPOと組み合わせた実践的な使い方


目次

出来高フットプリントの基本概念

出来高フットプリントを理解するには、まず「通常の出来高」との違いを知る必要があります。

通常の出来高の限界

一般的なチャートでは、出来高は「縦棒」で表示されます。

この棒が教えてくれるのは、「その期間に何株(何枚)取引されたか」という情報だけ。

・どの価格で取引されたのか
・買いと売り、どちらが優勢だったのか

これらは、通常の出来高バーでは見えません。

フットプリントは「取引の中身」を見せる

出来高フットプリントは、各価格帯ごとに取引を分解して表示します。

・この価格で何枚の買いが入ったか
・この価格で何枚の売りが入ったか

これが見えることで、「どこで需給がぶつかり合ったか」がわかるようになります。

ビッドとアスク

フットプリントを読む上で、まず理解すべきなのが「ビッド」と「アスク」です。

・ビッド(Bid) → 買い注文が待っている価格
・アスク(Ask) → 売り注文が待っている価格

取引が成立するとき:

・買い手がアスク価格で買う → 「アスクで約定」
・売り手がビッド価格で売る → 「ビッドで約定」

フットプリントでは、この「どちらで約定したか」を分けて表示します。

アスクで約定が多い → 買いの勢いが強い(買い手が「今すぐ欲しい」と思っている)
ビッドで約定が多い → 売りの勢いが強い(売り手が「今すぐ売りたい」と思っている)


フットプリントチャートの読み方

フットプリントチャートには、いくつかの重要な概念があります。

デルタ(Delta)

デルタは、各価格帯での「買いと売りの差」です。

デルタ = アスクで約定した数量 − ビッドで約定した数量

・デルタがプラス → その価格帯では買いが優勢
・デルタがマイナス → その価格帯では売りが優勢

デルタを見ることで、「見た目の価格変動」と「実際の需給」のズレに気づくことができます。

価格は上がっているのに、デルタはマイナス…

こんな状況は、上昇の持続性に疑問符がつきます。

累積デルタ

各価格帯のデルタを合計したものが、累積デルタです。

・累積デルタが上昇 → 全体として買いが優勢
・累積デルタが下降 → 全体として売りが優勢

価格と累積デルタが同じ方向に動いているとき、トレンドは健全。

価格は上がっているのに累積デルタが下がっている場合、トレンドの「質」に問題がある可能性があります。

インバランス(Imbalance)

インバランスは、特定の価格帯で買いと売りが極端に偏っている状態です。

例えば、ある価格で:

・買い:500枚
・売り:50枚

このように10倍以上の差があれば、そこには明確な「需給の偏り」があります。

インバランスが発生した価格帯は、サポート・レジスタンスとして機能しやすくなります。


フットプリントが教えてくれること

フットプリントを見ることで、通常のチャートでは見えない情報が得られます。

大口の足跡

大口トレーダーが動くと、特定の価格帯で出来高が急増します。

フットプリントを見れば、「どの価格で大口が入ったか」が一目でわかります。

大口の建値は、その後のサポート・レジスタンスになりやすいです。

需給の「本音」

価格が上昇していても、フットプリントを見ると売りが優勢なことがあります。

これは、少数の買い手が価格を押し上げているだけで、多くの参加者は売りに回っている状態。

こうした「見た目と本音のズレ」を見抜けるのが、フットプリントの強みです。

反転のサイン

下落中に、ある価格帯で大きな買いインバランスが発生。

これは、「ここで買い手が本気で受け止めた」というサインです。

反転の初動を、価格が動き出す前に察知できる可能性があります。


実践での活用法

フットプリントを実際のトレードにどう活かすか、具体的に見ていきましょう。

インバランスをサポート・レジスタンスとして使う

買いインバランスが発生した価格帯 → サポートとして意識
売りインバランスが発生した価格帯 → レジスタンスとして意識

価格がこの付近に戻ってきたとき、反発するかブレイクするかを注視します。

デルタでトレンドの「質」を判断する

上昇トレンド中:

・デルタもプラス → 健全な上昇、順張りで乗る
・デルタがマイナス → 見た目ほど強くない、慎重に

下降トレンド中も同様に、デルタの方向とトレンドの一致を確認します。

TPOと組み合わせる

TPOは「どの価格帯に時間をかけたか」を見る。
フットプリントは「どの価格帯で需給がぶつかったか」を見る。

・POC付近でインバランスも発生 → 非常に強いサポート
・レジスタンス ・バリューエリアのブレイク時にデルタも同方向 → 信頼性の高いブレイク

時間と取引量、両方の視点から市場を見ることで、分析の精度が格段に上がります。

まとめ:出来高の「中身」を見る

出来高フットプリントは、「どの価格で、どれだけの買いと売りが入ったか」を可視化する分析手法です。

この記事のポイント

・通常の出来高では「どこで」取引されたかがわからない
・フットプリントはビッド
・アスクの約定を分解して表示する
・デルタ(買いと売りの差)でトレンドの「質」を判断できる
・インバランスは需給の偏り、サポート・レジスタンスになりやすい
・TPOと組み合わせることで、時間と取引量の両面から分析できる

価格チャートは「結果」を見せてくれます。

フットプリントは「過程」を見せてくれます。

どの価格帯で買いと売りがぶつかり合い、どちらが勝ったのか。

この「戦いの痕跡」が見えるようになると、市場の動きが違って見えてくるはずです。

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この記事を書いた人

投資歴10年。様々なインジケーターや分析サイトを駆使し市場と向き合ってきた

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